こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
最近、こんなリクエストをもらった。
「中平さんのプロジェクトでは新人を多く登用しているのに、なぜうまくいっているのか? それを記事に書いてほしい。」
普段、自分のことをブログで書くことはあまりないけれど、せっかくリクエストをもらったので今回は書いてみようと思う。
ただ、僕自身は「うまくいっている」と思っているわけではない。
むしろ、僕のやり方は「ズルい」とすら感じることがある。
例えば——
これらは、周りから見れば「献身的な姿勢」とか「組織への貢献」と思われるかもしれない。
でも、実際はそんな美しい話ではない。
僕の行動の多くは、純粋な好奇心や実験的な興味からきている。
そこに「感謝の気持ち」とか「組織愛」といった高尚な意識があるわけではない。
それを言葉にするのが、なんとなく恥ずかしいのだ。
それでも、リクエストがあるなら書いてみよう。
僕が新人を多く登用するプロジェクトがうまくいっている理由を、いくつかの要素に分けて説明してみる。
新人は、まだ自分の役割を確立できていない。
だからこそ、「ここで活躍できそうだ」と思えば、多少ハードルが高くても飛び込んでくる。
これは、何かに挑戦したいと思う人間の本能に近い。
要はたとえうまくいっていない状況が生まれたとしても無理が効くということだ。
また「これができたらカッコいいよね」と僕はよく言う。
カッコいいという概念で状況をラップすることで成功に目を向けさせるのだ。
「こう考えればいい」「こういう時はこうすればいい」というポリシーを明示しているので、新人も判断に迷わない。
曖昧な指示ではなく、基準を持たせることで、不安を取り除いている。
チームのゴールが明確だから、新人たちは迷うことなくそこに向かうことができる。
ぼんやりした目標だと、何をすればいいのか分からなくなり、結果として停滞してしまう。
目標が曖昧なプロジェクトは山ほどある。
週に1回、成果をジャッジする機会を設けることで、新人たちは「どのくらいできているのか?」を実感できる。
この 短いサイクルでのフィードバック が彼らの成長を加速させる。
プロジェクトの状況を常にデイリーの資料で可視化することで、全体の進捗や現在の位置が一目で分かるようにしている。
そうすることで、新人も「今、自分はプロジェクトのどこにいて、何をすべきか?」を意識するようになる。
結果として、作業の目的意識が高まり、全体最適の視点を持ちながら行動できるようになる。
これは、生産性アップに直結する要素だ。
新人は、同じような境遇にいる他の新人を支える傾向がある。
「自分も最初は分からなかったから」という共感があるので、先に少しだけ経験した人が、次の新人に教えるというサイクルが生まれる。
エンジニアリングの世界では、アウトプットにこだわらなければ意味がない。
だからこそ、一度は強烈に僕自身がレビューする。またはその姿を見せる。
フォントの統一や罫線、タイトルのつけ方、文章の書き方、思考プロセスをすべて見せることで、
「これが成果物を仕上げるということなんだ」と理解させる。
美しくない成果物は許さない。
これは新人に対しても経験者に対しても同じだが、美しさ という概念を設けることで品質が上がる。
だから「よくこれで、エンジニアとして許せるね」とよく問う、美しい品質基準の「認知戦」を仕掛けるのだ。
完全にスキルがないとクリアできない部分はリストアップし、経験者がそこを補完するサイクルを作る。
新人だけに全てを任せるのではなく、適切なバランスを取ることが重要。
成果が出たら、グータッチ をする。
これが意外と重要で、「自分たちならできる」「やれるんだ」という意識を育む。
チームの雰囲気を前向きに保つためには、小さな成功を意識的に祝うことが大事だ。
共同で作業する場合、どこからどこまでが誰の責任かを明確にする。
これにより、責任の押し付け合いがなくなり、スムーズに仕事が進む。
僕自身が「このプロジェクトは成功する」と確信している状態でメンバーに接する。
そうすると、不思議なことにメンバーも「できるかも」と思い始める。
これも「認知戦」で、成功を前提にした態度が周囲の空気を変える。
新人なので丁寧にフォローするということはしない。
ひとりのエンジニアとしてリスペクトしたうえで接する。
経験を積んでこれまでのやり方に頭が固まり柔軟性を失っているエンジニアを山ほど見てきた。
新人は方針変更にも柔軟だし、吸収力が高いし、課題をキャッチアップする力も新たなチャレンジをする意欲でカバーできる。
こうやって書いてみると、やっぱり自分のやり方は「ズルいな」と思う。
僕の行動は、組織のためというよりも、自分の好奇心や実験的な興味から生まれたものだ。
でも、それが結果的にうまくいくなら、別に悪いことではないのかもしれない。
たとえば、僕は 「ズルいから成功する」 という考え方があるのではないかと思っている。
要は、「美しい動機」や「高尚な理念」がなくても、結果を出すことはできるということだ。
純粋な好奇心でも、実験的な興味でも、そこに合理性があればプロジェクトは回る。
もちろん、理想的には「感謝の気持ち」とか「チームのため」という気持ちがあったほうがいいのかもしれない。
でも、それはあとからついてくるものなのではないかと思う。
だから、今回の記事は 「ズルいプロジェクト成功のメカニズム」 みたいなものとして読んでもらえたら嬉しい。
小さなポイントを挙げればきりがないが、これからも少しずつ書いていこうと思う。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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