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中平コラムSeries37:「新人を抜擢する」の裏側って話

作成者: 中平裕貴|2025年03月24日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

私がIT業界に足を踏み入れたのは27歳のときだった。
技術も知識もゼロの状態での転職。それまでスーパーに肉と野菜を運んでいた私がパソコン仕事に就いた。

当然、最初は右も左も分からず、日々の業務に追われるだけの毎日だった。

 

突然のプロジェクトマネージャー(PM)任命

入社してわずか半年後、
いきなり7〜8名のチームを率いるプロジェクトマネージャー(PM)を任されることになった。

理由は単純で、当時の会社が急成長中で、PMが足りなかったからだ。

「チャレンジしますか?」と上司に言われ、気づけばプロジェクトの先頭に立っていた。

 

最初のうちは、どうしたらいいのか分からず、プレッシャーで胃が痛くなる日々。何度も吐いた。
チームメンバーは自分よりも年上の方ばかりで、「なんでこんな未経験のやつがPMなんだ?」という空気がひしひしと伝わってきた。

案の定、最初の1ヶ月はまともにチームを動かせず、メンバーとの意思疎通もうまくいかない。
報告するべきことを報告せず、問題が発生しても隠される。

プロジェクトの遅れを指摘すると、「そんなことも知らないの?」と皮肉を言われる。
「やばいかもしれない」と何度も思った。それでも、踏ん張るしかなかった。
誰かが助けてくれるのを待つのではなく、自分が動かなければならない。

 

チームを動かすための試行錯誤と自分自身の成長

そこからは、徹底的にメンバーとコミュニケーションを取り、現場の課題を把握することに集中した。

毎朝、全員と5分でも話すことを心がけ、報告・相談のハードルを下げた。

また、技術的な知識も貪欲に学び、「マネージャーなのに技術が分からない」という負い目をなくす努力をした。
結果的に、プロジェクトは何とか完遂し、私はそこで得た経験を次のプロジェクトにも活かすことができた。


それからは、新しいプロジェクトが立ち上がるたびに「中平に任せてみよう」と言われるようになった。

この経験が、私にとっての「異次元の成長」の原体験になった。

想像もしなかったほどのプレッシャーの中で、どうにかこうにか前に進み続けた結果、自分の能力も大きく伸びた。

だからこそ、今でも「若手には無理そうな挑戦をさせるべきだ」と思っている。

 

 

組織に新しい血を入れる

会社を成長させる上で、新人の活躍は必要不可欠だ。

私が初めて会社の代表に就任したとき、とてもハートフルな状況だった。
なぜなら、自分が社内で一番の若手だったからだ。

年上ばかりの組織で、「親会社から来た、あの若いやつ」と警戒され、誰も私の指示をまともに受け取ってくれない。
ミーティングでは「どうせ経験が足りないから分からないだろう」と話に入れてもらえず、決定事項がいつの間にか変わっていることもしばしば。

 

そんな中で私は決めた。

「これから入ってくる人材を育てるしかない。」


それからは、積極的に新人を採用し、育成に力を入れた。

私は人を育てることはできる。

実際に、5年間で会社の規模は10名から50名以上に拡大し、組織の中核を担うのは新しく採用したメンバーたちになった。
彼らがいたからこそ、組織は活性化し、変革の波を生み出すことができた。

新しい流れを作るのは新しい人たちなのだ。

 

 

新人の特性を活かす

IT業界を就職先・転職先に選んだ人たちは「何者かになりたい」と強く願っている人たちだ。

彼らはただの作業員ではなく、自分の可能性を広げられる機会を求めている。
そんな新人に対して、ただ研修を受けさせ、簡単な仕事を任せてはダメだ。

彼らは「自分がどこまでできるのか」を試したいのだから、意図的にハードルを高く設定しなければならない。

私は過去、あるプロジェクトで 入社3か月のエンジニア をリーダーに抜擢した。
周囲からは「まだ早い」「もっと経験のある人を選ぶべき」と反対されたが、私はこう考えた。

「ベテランのリーダーの下で学ぶよりも、自分で責任を持って動くほうが成長できる。」

結果として、そのエンジニアは最初こそ苦戦したものの、1年後には誰よりもプロジェクトを理解してチームを引っ張る存在になっていた。
彼自身も「この1年で自分がこんなに成長できるとは思わなかった」と語っていた。

新人は「やらされる」のではなく「やらせてもらえる」ことに価値を感じる。

だからこそ、彼らには最初から「挑戦する場」を与えなければならない。

 

 

新人が活躍するためにリーダーがすべきこと

では、新人が活躍しやすい環境を作るために、リーダーは何をすべきか。
正直、方法論はいくつもあるが、最も大事なのは「君ならできる、君たちならできる」と信じることだ。


これは単なる精神論ではない。


過去、私に無茶なハードルを任せてくれた人たちがいたからこそ、私はここまで成長できた。
彼らが私を信じてくれたからこそ、「期待に応えたい」と思い、壁を乗り越えられた。

 

それは、エスワイシステムの文化であり未来に残せる非物質的な資産でもある。

だからこそ、次の世代にも同じように「君ならできる」と信じて任せる。
信じて任せることで、彼らもまた自分の殻を破り、飛躍するのではないだろうか。
挑戦する者が育ち、それを支える者がいて、さらに新しい挑戦者が生まれる。


この循環こそが、組織の未来を形作るのだと思う。

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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