こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
前回のコラムで、「“自分でやった方が早い”の呪い」ということをお話しました。
(前回記事はこちら → 中平コラムSeries60:「“やった方が早い”の呪いと、終わらない地獄」って話)
今回はそれに関連した「自分でやらないという決断」ということについて私の実体験を基にお話していこうと思います。
「中平さんが見てからで」──
ある時、チームのすべての仕事が “私待ち” になっていることに気づきました。
提案資料、見積もり、技術的な折衝まで。
自分がいないと、何も進まない。
でも、それって僕が止めてたんだよね。
あるタスクを、「自分は見ない」と決めました。
Notionも課題表も開かない。Slackもあえて既読スルー。
最初はズレもミスも起きました。
正直「やっぱり自分で見た方が早かったかも...」と思った瞬間もあります。
でもその後、チームが動き出したんです。
自分たちで相談するようになった。
意思決定を自分たちで始めた。
「ここってこの解釈で合ってますか?」という途中報告が増えた。
それまで “指示を待つ側” だったメンバーが、“プロジェクトを進める側” に変わっていったんです。
「任せる」とは、主導権を手放す覚悟 です。
見守り、フォローしながらも、相手に決めさせる。
自分が最後にチェックする人じゃなく、最初に背中を押す人になる。
その瞬間、チームは少しずつ自走し始める。
任せ方のノウハウや技術はあとからでも身につきます。
でも、「自分がやらなくてもいい」と信じられるかどうか が最初のハードル。
・失敗が起きても、飲み込めるか
・完成度が期待より低くても、そこで教えられるか
・回り道でも、そこに価値を見出せるか
これができると、任せることが怖くなくなります。
リーダーの役割って、「背中で見せる」より「一歩引いて支える」方が難しい。
でもそこに、人が育つ余白が生まれる。
「これは自分でやらない」
そう決めることから、育成は始まるんだと思います。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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