こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
前回の記事で「自分がやらないという決断」ということについてお話しました。
(前回記事はこちら → 中平コラムSeries61:“やらない”と決めた瞬間、チームが動き出したって話)
今回は、その「仕事を任せる」という決断後に起こりうる “リーダーならではの悩み” についてお話していこうと思います。
これは、リーダーをしていると、よく聞く悩みです。
・何度説明しても改善されない
・もう少しちゃんと考えてくれると思った
・任せたらミスされたから、自分でやった方がいいかも...
──でも、ここで “任せることをやめる” のは、実は一番危ない選択肢なんです。
任せてうまくいかなかったとき、僕たちはつい、相手の力不足に目がいってしまいます。
でも、本当にそうだったのか?と振り返ってみると、だいたいこういうパターンが多いんです。
・「どこまで任せるか」が曖昧だった
・期待している完成イメージを共有していなかった
・フィードバックのタイミングが遅すぎた
つまり、「任せる設計」ができていなかった。
「任せる」って、ただタスクを渡すことじゃない。
“責任の定義” と “期待のすり合わせ” まで含めて設計 することなんですよね。
これは本当によくある壁です。
自分がやればもっと早く、高品質にできるのに...という場面。
でもここで大事なのは、
「今回は60点かもしれない。でも “自分以外がやった60点” には、伸び代がある」
と捉えられるかどうか。
最初から完璧なものを出す人はいません。
何度も任されて、考えて、改善して、ようやく育っていくもの。
任せてミスが出たなら、それは “次に伸ばせるポイント” が見えたということ。
責めるより、育成の設計図が1つ増えたと考える。
「任せたものの、結局は自分が土壇場でカバーする羽目に。」
これは僕自身もよく陥りました。
こうならないために必要なのは、以下の3つです。
① 途中確認を必ず入れる
→ “できてから出す” だと手遅れになる。進捗と方向性をこまめにチェック。
② 「何を考えて、どう動いたか」を言語化させる
→ 思考の癖が見えると、教えるべきポイントがはっきりする。
③ 相手に「目的と背景」をしっかり伝える
→ やる意味が分かると、雑な仕上がりになりにくい。
任せる前の“設計”と、“過程の対話”が全てです。
これ、地味に一番疲れますよね。
でも、その人が “変わらない” 理由は大きく3つしかありません。
① 🧠 理解できていない(情報不足)
② 💭 腑に落ちていない(納得感不足)
③ 🚫 やる気がない(モチベーション不足)
特に2つ目、「なぜそれが大事なのか」が伝わっていないと、形だけ真似しても思考は変わらない。
だからこそ、「説明」より「対話」が必要なんです。
「任せたら失敗された。」
そんなとき、「もう無理」と見限ってしまうのは簡単です。
でも、任せ続けて、フィードバックして、また任せる。
その繰り返しが、任される側の「本当の責任感」を育てていく。
だから、失敗はむしろ “始まりのサイン” 。
次こそどう任せるか。自分がどう関わるか。
そこにリーダーの成長ポイントがあるのかもしれません。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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