こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
突然ですが――マイグレーション、好きですか?
え、好きな人いるの?って思いました?
安心してください、業界内でも「できれば避けたい仕事ランキング」上位常連です(笑)
「マイグレーション(Migration)」――
直訳すると「移行」。
IT業界では主に以下のような仕事を指します:
・古いシステムを新しい環境(例:オンプレ→クラウド)に引っ越す
・古いプログラム言語やフレームワークを、今どきの技術に置き換える
・古くて読めない設計書を魂で読み解き、再構築する
つまり、「ボロボロの家を解体せず、住みながら全リフォーム」みたいなもの。
・止めたら現場が止まる。
・でも放っておいたらセキュリティリスク。
・そして誰も仕様を知らない。
・ついでに動かしてるミドルウェア、サポート切れてる。
…ね?ちょっと涙出てきたでしょ。
このように、「誰も気づかないけど、やらなきゃマズいこと」をやるのが、マイグレーション職人の宿命なのです。
マイグレーションの仕事が来るたび、頭の中ではこう鳴り響きます。
「このままでいいじゃん!」(by 現場)
「新しい価値が生まれるわけでもない」
「ユーザーから見たら何も変わってない」
「むしろ余計なことしないで!」
はい、完全に「報われない労働」ランキング上位案件です。
お客さんからよく言われるのがこれです。
「え、でも機能は変わらないんですよね?じゃあ、もっと安くならないんですか?」
これ、すごくよくわかります。「変わらないものにお金を払うって、損した気がする」んですよね。
でも技術側の本音はこうです。
「地中の配管を掘り返して、全部安全に取り替えるようなもんなんです…!!」
「しかも図面(=仕様書)もなくて、前の業者とも連絡取れないんです…!!」
コードはそのまま写すだけじゃない。
動くか?セキュリティは?予期せぬ副作用は?
これらを全部チェックして対応しないと、 “無言の地雷” が爆発するんです。
古いシステムのあるある、それは「仕様書が信用できない」。
パッと見は整ってるけど、
実装を見たら「あれ?引数違くない?」「この処理、どこから来たの?」の連続。
しかもそのコードを書いた人はもういない。
幽霊部員ならぬ、幽霊エンジニア状態。
ドキュメントと実装が一致していないと、まるで「地図はあるのに道がない」冒険です。
…完全にRPGで言うところのトラップ満載のダンジョン。
そんな中、頼れる相棒が現れました。そう、AI です。
・ソースコードから仕様を自動で逆算
・データベースの構造を解析して関係図を生成
・同じような処理をまとめてリファクタ
まるで「片っ端から地雷をハイライトしてくれる賢者」みたい。
とはいえ、まだ完璧じゃない。
でも、孤独な作業だったマイグレーションに、ようやく共に戦う仲間ができた気がしているんです。
マイグレーションが嫌われる理由は明確です。
・成果が見えづらい
・工数が読みにくい
・「変わってないように見えるから無価値」と思われがち
でも僕は、こう思います。
それでもやるのは、「未来に負債を残したくないから」です。
古いコードをそのまま残していけば、いつか誰かがもっと苦労する。
「動いてるからいい」は、「タイヤがすり減ってるけど走れるからOK」と言ってるのと同じ。
いつか事故ります。
僕にとってマイグレーションは、「過去と未来をつなぐ、静かな英雄譚」です。
見た目は地味だけど、新しい人が安全に開発できるようにする。
その裏にはたくさんの「誰かの仕事が楽になる仕掛け」が詰まってる。
時に “呪いのコード” と戦いながら、
時に “失われた仕様書” を再構築しながら。
そして今日も思うのです。
「派手な魔法は使えなくても、地味に世界は救える」と。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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