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中平コラムSeries130:元探偵が辿り着いた、仕事を“楽”にする5つの思考の道具って話

作成者: 中平裕貴|2025年08月20日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

かつて、PMとして大きな案件を任されたときのこと。
予算、納期、メンバー、全部そろっていたのに――うまく回らなかった。

頑張ってるのに、なぜか“”にならない。

能力? 経験? 時間の使い方?
いや、少し違った。

ある日気づいたんです。
僕の「頭の中の工具箱」が、ほとんど空っぽだったことに。

何を使って考えたらいいか、
どんな視点で物事を見ればいいか――
そもそも“道具”という存在を知らなかった。

今回は、そんな僕がこれまでのキャリア(探偵・運転手・IT・PM・営業・人事・経営)を通して拾ってきた、5つの「思考の道具」を紹介します。

明日、いや、できれば今日の午後からでも使える「仕事の道具」。
それは、知識でもスキルでもなく、“考え方の持ち方”かもしれません。

 

 

道具①:混沌から“真実”を仕分ける ― 探偵の眼

 

探偵をしていた頃、依頼内容はシンプルでも、現場はいつも情報が“濁って”いた。
自宅には幸せそうな写真が並び、周囲からは「うまくいってる夫婦ですよ」と言われる。
でも、対象者の行動を追っていると、まったく別の景色が見えてくる。

そのとき僕が痛感したのは、情報には必ず“レイヤー”があるということ。

1.事実(カメラが捉えた行動)
2.解釈(周囲の見方、依頼者の思い込み)
3.感情(依頼者の期待、不安、願望)

この3つを切り分けずに扱うと、真実はあっという間に埋もれてしまう。

それ以来、
これは事実か?解釈か?感情か?
と一度仕分けてから扱うようにしている。

探偵の眼とは、つまり、
目に見えるものを信じすぎない力
なのかもしれない。

 

 

道具②:「到着時間」から逆算する ― ドライバーの計画術

 

トラック運転手だった頃。
一番叩き込まれたのは、「目的地から逆算せよ」という教えだった。

たとえば「12:00に到着」と決まっていれば、
荷積みは10:00、出発は8:30、休憩ポイントはここ…と、逆から計画する。

計画が破綻する原因の9割は、「出発点から考える」ことにある。
重要なのは、「ゴールから出発する力」。

そしてもう一つ重要なのは、一番ヤバいボトルネックを最初に潰しておくこと。

逆算思考とは、
未来の自分が困る地雷を、今の自分が除去する行為
なのだ。

 

 

道具③:本音を引き出す「3つの問い」 ― 会議の楽譜

 

会議って、だいたい“沈黙”か“時間切れ”で終わる。
でも、ちょっとだけ考え方を変えるだけで、あのグダグダ会議が価値のあるセッションに変わる。

僕が使ってる“アジェンダの型”はこの3つ
1.今日のゴールは何か?
2.決めるべきことは何か?
3.終わったとき、「良い会議だった」と思える状態は何か?

これを最初に共有するだけで、人の“思考の角度”が変わる。
PMとしての仕事は、「段取り」ではなく、「空気の設計」なのかもしれない。

 

 

道具④:“やりたいこと”は問い直す力で見えてくる ― 自分会議のススメ

 

自分の、本当にやりたいことって何だろう?

僕は、キャリアの岐路に立つたび、同じ3つの問いを投げかけてきました。

1.何をしていると、時間を忘れるほど没頭できるか?
2.何を乗り越えたとき、自分が一番成長したと感じたか?
3.誰の、どんな笑顔が見たいか?(貢献したい相手と場面)

この3つの“問い”を何度も自分にぶつけていると、
これかもしれない」という小さなカケラが集まってきます。

やりたいこと」は、ある日突然“発見”するものではなく、
何度も問い直して、“見つけ続ける”ものなのかもしれません。

 

 

道具⑤:全部ごちゃごちゃなら、紙に書け ― 一枚の紙の整理術

 

問題が複雑に見えるのは、“整理されてないだけ”だったりする。


頭の中がぐちゃぐちゃで、「何から手をつければいいかわからない」――
そんなとき、僕はいつも紙に向かいます。

1.今、何が起きてる?(現状)
2.それって、なぜ?(原因)
3.じゃあ、どうする?(対策)

たったこれだけのことなのに、紙に書くだけで、
頭の霧が晴れて、「あ、ここからやればいいんだ」と思えるようになる。

シンプルな道具こそ、
一番ごちゃごちゃな場面で、真価を発揮するのです。

あなたの机の上にも、一枚の紙、置いてみませんか?

 

 

 

最後に:最高の道具は、もう、あなたの中にある

 

ここまで読んでくれてありがとう。

思考の道具を5つ紹介してきたけど、実は最後に一つだけ――
最強の道具”を伝え忘れていた。

それは、「自分なら、まだやれる」と信じる心だ。

道具は借りられる。学べる。でも、信じる力だけは、自分の中で育てるしかない。
そしてそれが、すべての思考の原点になる。

僕はかつて、「高卒だから」と無意識に避けてきた道があった。
正規ルート”から外れて生きてきた僕にとって、
こうして誰かに“考え方の道具”を渡せるようになったことが、ちょっとだけ誇りです。

来週も、また一つ「道具」を届けます。
僕の道具箱が、あなたの仕事を“ほんの少し、軽くする”きっかけになりますように。

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム5部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WANT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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