こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
かつて、PMとして大きな案件を任されたときのこと。
予算、納期、メンバー、全部そろっていたのに――うまく回らなかった。
頑張ってるのに、なぜか“楽”にならない。
能力? 経験? 時間の使い方?
いや、少し違った。
ある日気づいたんです。
僕の「頭の中の工具箱」が、ほとんど空っぽだったことに。
何を使って考えたらいいか、
どんな視点で物事を見ればいいか――
そもそも“道具”という存在を知らなかった。
今回は、そんな僕がこれまでのキャリア(探偵・運転手・IT・PM・営業・人事・経営)を通して拾ってきた、5つの「思考の道具」を紹介します。
明日、いや、できれば今日の午後からでも使える「仕事の道具」。
それは、知識でもスキルでもなく、“考え方の持ち方”かもしれません。
探偵をしていた頃、依頼内容はシンプルでも、現場はいつも情報が“濁って”いた。
自宅には幸せそうな写真が並び、周囲からは「うまくいってる夫婦ですよ」と言われる。
でも、対象者の行動を追っていると、まったく別の景色が見えてくる。
そのとき僕が痛感したのは、情報には必ず“レイヤー”があるということ。
1.事実(カメラが捉えた行動)
2.解釈(周囲の見方、依頼者の思い込み)
3.感情(依頼者の期待、不安、願望)
この3つを切り分けずに扱うと、真実はあっという間に埋もれてしまう。
それ以来、
「これは事実か?解釈か?感情か?」
と一度仕分けてから扱うようにしている。
探偵の眼とは、つまり、
「目に見えるものを信じすぎない力」
なのかもしれない。
トラック運転手だった頃。
一番叩き込まれたのは、「目的地から逆算せよ」という教えだった。
たとえば「12:00に到着」と決まっていれば、
荷積みは10:00、出発は8:30、休憩ポイントはここ…と、逆から計画する。
計画が破綻する原因の9割は、「出発点から考える」ことにある。
重要なのは、「ゴールから出発する力」。
そしてもう一つ重要なのは、一番ヤバいボトルネックを最初に潰しておくこと。
逆算思考とは、
「未来の自分が困る地雷を、今の自分が除去する行為」
なのだ。
会議って、だいたい“沈黙”か“時間切れ”で終わる。
でも、ちょっとだけ考え方を変えるだけで、あのグダグダ会議が価値のあるセッションに変わる。
僕が使ってる“アジェンダの型”はこの3つ
1.今日のゴールは何か?
2.決めるべきことは何か?
3.終わったとき、「良い会議だった」と思える状態は何か?
これを最初に共有するだけで、人の“思考の角度”が変わる。
PMとしての仕事は、「段取り」ではなく、「空気の設計」なのかもしれない。
「自分の、本当にやりたいことって何だろう?」
僕は、キャリアの岐路に立つたび、同じ3つの問いを投げかけてきました。
1.何をしていると、時間を忘れるほど没頭できるか?
2.何を乗り越えたとき、自分が一番成長したと感じたか?
3.誰の、どんな笑顔が見たいか?(貢献したい相手と場面)
この3つの“問い”を何度も自分にぶつけていると、
「これかもしれない」という小さなカケラが集まってきます。
「やりたいこと」は、ある日突然“発見”するものではなく、
何度も問い直して、“見つけ続ける”ものなのかもしれません。
問題が複雑に見えるのは、“整理されてないだけ”だったりする。
頭の中がぐちゃぐちゃで、「何から手をつければいいかわからない」――
そんなとき、僕はいつも紙に向かいます。
1.今、何が起きてる?(現状)
2.それって、なぜ?(原因)
3.じゃあ、どうする?(対策)
たったこれだけのことなのに、紙に書くだけで、
頭の霧が晴れて、「あ、ここからやればいいんだ」と思えるようになる。
シンプルな道具こそ、
一番ごちゃごちゃな場面で、真価を発揮するのです。
あなたの机の上にも、一枚の紙、置いてみませんか?
ここまで読んでくれてありがとう。
思考の道具を5つ紹介してきたけど、実は最後に一つだけ――
“最強の道具”を伝え忘れていた。
それは、「自分なら、まだやれる」と信じる心だ。
道具は借りられる。学べる。でも、信じる力だけは、自分の中で育てるしかない。
そしてそれが、すべての思考の原点になる。
僕はかつて、「高卒だから」と無意識に避けてきた道があった。
“正規ルート”から外れて生きてきた僕にとって、
こうして誰かに“考え方の道具”を渡せるようになったことが、ちょっとだけ誇りです。
来週も、また一つ「道具」を届けます。
僕の道具箱が、あなたの仕事を“ほんの少し、軽くする”きっかけになりますように。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム5部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WANT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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