中平コラムSeries130:元探偵が辿り着いた、仕事を“楽”にする5つの思考の道具って話

多彩なキャリアを経て、仕事を少しだけ“楽”にするための5つの「思考の道具」を、物語とともにお届けします。

  • お問い合わせ
  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

    かつて、PMとして大きな案件を任されたときのこと。
    予算、納期、メンバー、全部そろっていたのに――うまく回らなかった。

    頑張ってるのに、なぜか“”にならない。

    能力? 経験? 時間の使い方?
    いや、少し違った。

    ある日気づいたんです。
    僕の「頭の中の工具箱」が、ほとんど空っぽだったことに。

    何を使って考えたらいいか、
    どんな視点で物事を見ればいいか――
    そもそも“道具”という存在を知らなかった。

    今回は、そんな僕がこれまでのキャリア(探偵・運転手・IT・PM・営業・人事・経営)を通して拾ってきた、5つの「思考の道具」を紹介します。

    明日、いや、できれば今日の午後からでも使える「仕事の道具」。
    それは、知識でもスキルでもなく、“考え方の持ち方”かもしれません。

     

     

    道具①:混沌から“真実”を仕分ける ― 探偵の眼

     

    探偵をしていた頃、依頼内容はシンプルでも、現場はいつも情報が“濁って”いた。
    自宅には幸せそうな写真が並び、周囲からは「うまくいってる夫婦ですよ」と言われる。
    でも、対象者の行動を追っていると、まったく別の景色が見えてくる。

    そのとき僕が痛感したのは、情報には必ず“レイヤー”があるということ。

    1.事実(カメラが捉えた行動)
    2.解釈(周囲の見方、依頼者の思い込み)
    3.感情(依頼者の期待、不安、願望)

    この3つを切り分けずに扱うと、真実はあっという間に埋もれてしまう。

    それ以来、
    これは事実か?解釈か?感情か?
    と一度仕分けてから扱うようにしている。

    探偵の眼とは、つまり、
    目に見えるものを信じすぎない力
    なのかもしれない。

     

     

    道具②:「到着時間」から逆算する ― ドライバーの計画術

     

    トラック運転手だった頃。
    一番叩き込まれたのは、「目的地から逆算せよ」という教えだった。

    たとえば「12:00に到着」と決まっていれば、
    荷積みは10:00、出発は8:30、休憩ポイントはここ…と、逆から計画する。

    計画が破綻する原因の9割は、「出発点から考える」ことにある。
    重要なのは、「ゴールから出発する力」。

    そしてもう一つ重要なのは、一番ヤバいボトルネックを最初に潰しておくこと。

    逆算思考とは、
    未来の自分が困る地雷を、今の自分が除去する行為
    なのだ。

     

     

    道具③:本音を引き出す「3つの問い」 ― 会議の楽譜

     

    会議って、だいたい“沈黙”か“時間切れ”で終わる。
    でも、ちょっとだけ考え方を変えるだけで、あのグダグダ会議が価値のあるセッションに変わる。

    僕が使ってる“アジェンダの型”はこの3つ
    1.今日のゴールは何か?
    2.決めるべきことは何か?
    3.終わったとき、「良い会議だった」と思える状態は何か?

    これを最初に共有するだけで、人の“思考の角度”が変わる。
    PMとしての仕事は、「段取り」ではなく、「空気の設計」なのかもしれない。

     

     

    道具④:“やりたいこと”は問い直す力で見えてくる ― 自分会議のススメ

     

    自分の、本当にやりたいことって何だろう?

    僕は、キャリアの岐路に立つたび、同じ3つの問いを投げかけてきました。

    1.何をしていると、時間を忘れるほど没頭できるか?
    2.何を乗り越えたとき、自分が一番成長したと感じたか?
    3.誰の、どんな笑顔が見たいか?(貢献したい相手と場面)

    この3つの“問い”を何度も自分にぶつけていると、
    これかもしれない」という小さなカケラが集まってきます。

    やりたいこと」は、ある日突然“発見”するものではなく、
    何度も問い直して、“見つけ続ける”ものなのかもしれません。

     

     

    道具⑤:全部ごちゃごちゃなら、紙に書け ― 一枚の紙の整理術

     

    問題が複雑に見えるのは、“整理されてないだけ”だったりする。


    頭の中がぐちゃぐちゃで、「何から手をつければいいかわからない」――
    そんなとき、僕はいつも紙に向かいます。

    1.今、何が起きてる?(現状)
    2.それって、なぜ?(原因)
    3.じゃあ、どうする?(対策)

    たったこれだけのことなのに、紙に書くだけで、
    頭の霧が晴れて、「あ、ここからやればいいんだ」と思えるようになる。

    シンプルな道具こそ、
    一番ごちゃごちゃな場面で、真価を発揮するのです。

    あなたの机の上にも、一枚の紙、置いてみませんか?

     

     

     

    最後に:最高の道具は、もう、あなたの中にある

     

    ここまで読んでくれてありがとう。

    思考の道具を5つ紹介してきたけど、実は最後に一つだけ――
    最強の道具”を伝え忘れていた。

    それは、「自分なら、まだやれる」と信じる心だ。

    道具は借りられる。学べる。でも、信じる力だけは、自分の中で育てるしかない。
    そしてそれが、すべての思考の原点になる。

    僕はかつて、「高卒だから」と無意識に避けてきた道があった。
    正規ルート”から外れて生きてきた僕にとって、
    こうして誰かに“考え方の道具”を渡せるようになったことが、ちょっとだけ誇りです。

    来週も、また一つ「道具」を届けます。
    僕の道具箱が、あなたの仕事を“ほんの少し、軽くする”きっかけになりますように。

     

     

    著者情報


    IMG_4766

     

    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム5部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WANT TO」で動ける社会を目指す。

     

    🛠 技術領域

    アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

    📈 事業・営業経験

    SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

    🏗 組織マネジメント

    リーダー育成、組織改革、チームビルディング

     

    📩 お問い合わせ・お仕事のご相談はこちらから↓

     

    人気の記事

     

     

    お問い合わせ

    • TEL

      03-5642-0033

    【受付時間】平日 9:00~18:00