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中平コラムSeries26:KPIとKFSの違いと活用法:目標達成のための戦略的アプローチをするよって話

作成者: 中平裕貴|2025年03月05日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)KFS(Key Factors for Success:成功要因)は、ビジネスにおける目標管理の重要な概念です。

 

しかし、この2つは混同されがちであり、適切に理解しないと「KPIは達成できているのに成果が出ない」「なぜ失敗するのか分からない」といった問題に直面します。

 

このKPIとKFSの関係は、サッカーの試合運びとも似ています。


本記事では、サッカーとビジネスの両方の視点から、KPIとKFSの違いや効果的な活用法について解説していきます。

 

 

KPIとKFSの違いとは?

KPIとKFSは似ているようで、役割が異なります。

 

KPIとは?

「目標達成の進捗を測るための指標」のこと。
数値化できるため、達成度を客観的に評価できるのが特徴です。

 

例(ビジネスの場合)
  • 売上高
  • 顧客満足度(NPS)
  • 受注率
  • 社員の定着率
  • プロジェクトの納期遵守率

 

定量的に測定できるポイントを用意すべし、ってよく言われることですよね。

 

KFSとは?

「成功するために必要な要因」のこと。
具体的な数値ではなく、目標達成に不可欠な「行動」「仕組み」「環境」などを指します。

 

例(ビジネスの場合)
  • 営業の成功には「顧客との関係構築」「適切な提案力」が必要
  • プロジェクトの成功には「明確な要件定義」「チームの協力」が重要
  • 組織運営の成功には「リーダーシップ」「心理的安全性」が不可欠

 

KPI「結果を測るもの」であるのに対し、KFS「結果を出すための前提条件」です。

 

うまくいくために必要な「状態」ってことです。

 

 

KPIとKFSをサッカーに例えると?

この概念をサッカーに置き換えて考えてみましょう。

KPI(結果を測る指標)

KPIは「試合のパフォーマンスを測る指標」となります。

 

サッカーにおけるKPIの例
  • ボール支配率(ポゼッション %)
  • 枠内シュート数
  • パス成功率
  • ボール奪取回数
  • セットプレーからの得点数

 

KPIは試合の結果やチームのパフォーマンスを数値化するものであり、戦術が機能しているかどうかを測る役割を持ちます。

 

KFS(成功要因)

一方、KFSは「試合に勝つために必要な成功要因」です。

 

サッカーにおけるKFSの例
  • 守備戦術の確立(ハイプレス or リトリート)
  • 攻撃スタイルの明確化(ポゼッション or カウンター)
  • セットプレーの精度向上
  • 試合中のゲームプランの柔軟性
  • チームの組織力と選手間の連携

 

例えば、「ボール支配率を60%以上にする(KPI)」という目標を掲げた場合、

 

そのためのKFSとしては「パスの正確性を向上させる」「ポジショニングの習熟度を高める」などが考えられます。

 

つまり、KFSが整っていないと、KPIを達成しても勝てないことがあるのです。

 

 

KPIとKFSの関係性

「KFSが機能していないと、KPIは達成できない」


つまり、KPIだけを設定しても、KFSが明確でなければ成果には結びつきません。

 

例えば、「売上を前年比120%にする」というKPIを設定した場合、
それを達成するためのKFSとして以下のような要因が考えられます。

 

  • ターゲット顧客の明確化(どの市場にフォーカスするか?)
  • 商品・サービスの差別化(競争優位性は何か?)
  • 営業戦略の最適化(既存顧客の深耕 vs. 新規開拓)
  • マーケティング施策の強化(広告、SNS活用、SEO対策)

 

これらのKFSをしっかり整備したうえで、
KPIとして「新規顧客数」「リピート率」などの指標を測ることで、成果につなげることができます。

 

 

KPIとKFSを設定するときのポイント

① KPIは「数値化できるもの」を設定する

KPIは「どこまで達成できたか」を測るための指標です。

「頑張る」「努力する」などの曖昧な目標ではなく、数値で評価できるものにすることが重要です。

 

② KFSは「成功の本質」にフォーカスする

KFSは「結果」ではなく、「成果を出すための要因」です。
KPIだけを追うと、本質的な課題を見失うことがあるため、KFSを明確にし、適切な戦略を立てることが重要です。

 

③ KPIは定期的に見直し、KFSとの整合性をチェックする

KPIが未達成の場合、


「KPIが高すぎるのか?」
「KFSがうまく機能していないのか?」


を見極めて、必要に応じて改善を行うことが大切です。

 

 

まとめ

  • KPIは「結果」、KFSは「結果を出すための要因」
  • KPIだけを設定しても、KFSが明確でなければ成果にはつながらない
  • KFSを特定し、それに基づいたKPIを設定することが成功の鍵
  • KFSを改善すれば、KPIは自然と達成しやすくなる

 

ビジネスでもスポーツでも、「勝つために必要なもの(KFS)」を明確にしなければ、「結果(KPI)」はついてこないということですね!

 

KPIを設定したうえで、そのKPIが達成される時、

そこではいったい何が起きているのか?ということをよく考えていくのがビジネスでもサッカーでも面白いところなんだなぁと感じます。

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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