中平コラムSeries26:KPIとKFSの違いと活用法:目標達成のための戦略的アプローチをするよって話

KPIとKFSの違いとは?サッカーを例に、目標達成に不可欠な『成功要因』と『測定指標』の関係を解説。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

    KPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)KFS(Key Factors for Success:成功要因)は、ビジネスにおける目標管理の重要な概念です。

     

    しかし、この2つは混同されがちであり、適切に理解しないと「KPIは達成できているのに成果が出ない」「なぜ失敗するのか分からない」といった問題に直面します。

     

    このKPIとKFSの関係は、サッカーの試合運びとも似ています。


    本記事では、サッカーとビジネスの両方の視点から、KPIとKFSの違いや効果的な活用法について解説していきます。

     

     

    KPIとKFSの違いとは?

    KPIとKFSは似ているようで、役割が異なります。

     

    KPIとは?

    「目標達成の進捗を測るための指標」のこと。
    数値化できるため、達成度を客観的に評価できるのが特徴です。

     

    例(ビジネスの場合)
    • 売上高
    • 顧客満足度(NPS)
    • 受注率
    • 社員の定着率
    • プロジェクトの納期遵守率

     

    定量的に測定できるポイントを用意すべし、ってよく言われることですよね。

     

    KFSとは?

    「成功するために必要な要因」のこと。
    具体的な数値ではなく、目標達成に不可欠な「行動」「仕組み」「環境」などを指します。

     

    例(ビジネスの場合)
    • 営業の成功には「顧客との関係構築」「適切な提案力」が必要
    • プロジェクトの成功には「明確な要件定義」「チームの協力」が重要
    • 組織運営の成功には「リーダーシップ」「心理的安全性」が不可欠

     

    KPI「結果を測るもの」であるのに対し、KFS「結果を出すための前提条件」です。

     

    うまくいくために必要な「状態」ってことです。

     

     

    KPIとKFSをサッカーに例えると?

    この概念をサッカーに置き換えて考えてみましょう。

    KPI(結果を測る指標)

    KPIは「試合のパフォーマンスを測る指標」となります。

     

    サッカーにおけるKPIの例
    • ボール支配率(ポゼッション %)
    • 枠内シュート数
    • パス成功率
    • ボール奪取回数
    • セットプレーからの得点数

     

    KPIは試合の結果やチームのパフォーマンスを数値化するものであり、戦術が機能しているかどうかを測る役割を持ちます。

     

    KFS(成功要因)

    一方、KFSは「試合に勝つために必要な成功要因」です。

     

    サッカーにおけるKFSの例
    • 守備戦術の確立(ハイプレス or リトリート)
    • 攻撃スタイルの明確化(ポゼッション or カウンター)
    • セットプレーの精度向上
    • 試合中のゲームプランの柔軟性
    • チームの組織力と選手間の連携

     

    例えば、「ボール支配率を60%以上にする(KPI)」という目標を掲げた場合、

     

    そのためのKFSとしては「パスの正確性を向上させる」「ポジショニングの習熟度を高める」などが考えられます。

     

    つまり、KFSが整っていないと、KPIを達成しても勝てないことがあるのです。

     

     

    KPIとKFSの関係性

    「KFSが機能していないと、KPIは達成できない」


    つまり、KPIだけを設定しても、KFSが明確でなければ成果には結びつきません。

     

    例えば、「売上を前年比120%にする」というKPIを設定した場合、
    それを達成するためのKFSとして以下のような要因が考えられます。

     

    • ターゲット顧客の明確化(どの市場にフォーカスするか?)
    • 商品・サービスの差別化(競争優位性は何か?)
    • 営業戦略の最適化(既存顧客の深耕 vs. 新規開拓)
    • マーケティング施策の強化(広告、SNS活用、SEO対策)

     

    これらのKFSをしっかり整備したうえで、
    KPIとして「新規顧客数」「リピート率」などの指標を測ることで、成果につなげることができます。

     

     

    KPIとKFSを設定するときのポイント

    ① KPIは「数値化できるもの」を設定する

    KPIは「どこまで達成できたか」を測るための指標です。

    「頑張る」「努力する」などの曖昧な目標ではなく、数値で評価できるものにすることが重要です。

     

    ② KFSは「成功の本質」にフォーカスする

    KFSは「結果」ではなく、「成果を出すための要因」です。
    KPIだけを追うと、本質的な課題を見失うことがあるため、KFSを明確にし、適切な戦略を立てることが重要です。

     

    ③ KPIは定期的に見直し、KFSとの整合性をチェックする

    KPIが未達成の場合、


    「KPIが高すぎるのか?」
    「KFSがうまく機能していないのか?」


    を見極めて、必要に応じて改善を行うことが大切です。

     

     

    まとめ

    • KPIは「結果」、KFSは「結果を出すための要因」
    • KPIだけを設定しても、KFSが明確でなければ成果にはつながらない
    • KFSを特定し、それに基づいたKPIを設定することが成功の鍵
    • KFSを改善すれば、KPIは自然と達成しやすくなる

     

    ビジネスでもスポーツでも、「勝つために必要なもの(KFS)」を明確にしなければ、「結果(KPI)」はついてこないということですね!

     

    KPIを設定したうえで、そのKPIが達成される時、

    そこではいったい何が起きているのか?ということをよく考えていくのがビジネスでもサッカーでも面白いところなんだなぁと感じます。

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    🛠 技術領域

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    SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

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