中平コラムSeries27:PdMとは?PM・POの経験を経て感じた違いと役割の重要性って話
PdMの役割やPM・POとの違い、求められるスキル、意識すべきポイントをまとめてプロダクト成功の鍵を探る。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
これまで私はPM(プロジェクトマネージャー)やPO(プロダクトオーナー)として、
プロジェクトの進行管理やプロダクト開発に携わることが多かったのですが、
最近はPdM(プロダクトマネージャー)に近い業務も経験するようになりました。
これを機に、PM・POとPdMの違い、そしてPdMの役割の重要性について改めて整理してみたいと思います。
PdM・PM・POの違いとは?
まず、私自身が関わってきたPM・POとPdMの違いを簡単にまとめます。
職種 | 主な役割 | ポイント |
---|---|---|
PdM (プロダクトマネージャー) |
プロダクトの戦略・企画・開発・成長を統括する | 「プロダクトの成功」そのものに責任を持つ |
PM (プロジェクトマネージャー) |
プロジェクトの進行管理・スケジュール調整・リソース管理 |
「納期・スコープ・コスト」を管理する |
PO (プロダクトオーナー) |
スクラム開発において、プロダクトの方向性を決める | 「プロダクトバックログ」を管理し、開発チームと密に連携 |
私がPM・POとして関わってきたプロジェクトでは、「決められた期間内で、決められた範囲の開発をどう成功させるか?」がメインの仕事でした。モノづくりの請負受注業としてのプライドもあるし、やりがいもあります。
しかし、PdMの役割は、「そもそも何を作るべきか?」というプロダクトの方向性や市場価値そのものに責任を持つことがPM・POと大きく大きく異なります。
PdMとしての視点が求められるようになった背景
最近は、「成功するために何を作るのか?」という視点を求められることが増えてきました。
これまでは、POとして開発チームと連携しながら「開発すべきものを整理する」ことが中心でしたが、最近は以下のようなPdM的な業務も増えています。
PdMとしての主な業務
- 市場調査・競合分析(どんな機能を作るべきか?)
- プロダクト戦略の策定(KPI・ロードマップをどう設計するか?)
- ユーザーの声の分析・活用(定性・定量データの活用)
- ビジネス的な意思決定(価格設定・収益モデル)
例えば、「この機能を追加すれば本当にユーザーが増えるのか?」という判断や、
「どの指標をKPIとして追うべきか?」といった戦略的な視点が求められるようになりました。
PdMに求められるスキル
実際にPdMに近い業務を経験してみて、PMやPOとは違うスキルセットが求められると感じました。
1. ビジネススキル
- 事業戦略の理解(単なる機能開発ではなく、売上や成長を考える)
- KPI管理とデータ分析(成功指標を数値化し、評価する力)
- 競合分析・市場調査(ユーザーの求めるものを的確に把握)
2. テクニカルスキル
- システム開発の基礎知識(API、データベース、UX/UI)
- アジャイル開発の理解
- A/Bテストやデータ分析ツールの活用
3. コミュニケーションスキル
- ステークホルダーとの調整力(経営層、マーケティング、営業との連携)
- エンジニア・デザイナーとの協力(仕様策定や優先度決定)
- ユーザーの声を引き出すヒアリング力
特に、「ユーザーの声をどのようにプロダクトに反映させるか?」が重要で、
データと定性調査を組み合わせながら、根拠と、想いを持って意思決定するスキルが求められると感じました。
PdMとして意識すべきポイント
私自身、PdMに近い仕事を経験する中で意識しているポイントをまとめてみました。
① ユーザー中心の意思決定をする
PdMの仕事は「経営とユーザーの橋渡し」とも言えます。
ビジネスの利益とユーザーの満足度を両立させるために、
「本当にこの機能は必要か?」と常に問いながら進めることが大切です。
② データを活用して判断する
PdMは、「何を作るべきか?」を決める役割なので、
データに基づいた意思決定が求められます。
- ユーザーの行動データ(どの機能がよく使われているか?)
- 定性データ(インタビューやアンケート)
- 競合の動向(他社の成功事例・失敗事例)
これらを組み合わせながら、戦略的にプロダクトを成長させていく必要があります。
③ 優先度を明確にする
開発リソースは限られているため、「どの機能を優先して作るべきか?」が重要です。
すべてを実装するのではなく、「インパクトの大きい機能」に絞る判断力が求められます。
まとめ
PM・POとPdMはそれぞれの役割が異なるものの、共通する部分も多くあります。
私自身、PM・POとしてプロジェクトやプロダクトに関わる中で、自然とPdM的な視点を持つようになりました。
もともと、何かを作る際には常に「もしこのプロダクトが全く役に立たないとしたら、その原因は何か?」と考える習慣がありました。
また、プロダクトの成功を基準に考えることで、チーム全体の生産性も高まり、より価値あるアウトプットにつながると実感しています。
どの役割を担うかによって、業務のフォーカスや優先順位は変わりますが、
根本にあるのは「世の中にとって価値のあるものを生み出すこと」です。
その視点を大切にしながら、今後もプロダクトに関わっていきたいと思います。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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