こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
先日、社内の中国籍メンバーであるSさんと話していたとき、とある本を紹介されました。
『銃・病原菌・鉄』──
(参考:「銃・病原菌・鉄 ―1万3000年にわたる人類史の謎」, ジャレド ダイアモンド (著), 倉骨 彰 (訳) , 草思社, 2000)
「なぜ、西欧が世界を制したのか?」を人種ではなく “環境” から読み解く一冊です。
話の中でSさんが言った一言が、すごく印象に残っています。
「中平さん、日本企業もこの本と似ている構造があると思いません?」
たしかに──この本は、ただの歴史の話じゃない。
現代の組織、特に “変われない日本企業” にも当てはまる問いが詰まっていると感じたのです。
この本の根底にあるのは、このような考え方です。
強い・弱いの違いは、人種や能力の差ではなく、その人たちが「どんな環境に置かれていたか」で決まる。
農業のスタートが早かった地域では、食料に余裕ができた。
余裕ができたから分業や技術革新が進んだ。
病原菌にさらされてきた地域では、免疫を獲得した。
つまり、人が進化したのではなく、環境が進化させた。
この構造、実は企業にもそのまま当てはまるんじゃないかと思ったんです。
僕がこの話を読んでふと思い出したのが、地元の高校です。
そこは野球の強豪校だったんですが──
なぜか、バスケも、卓球も、陸上も何なら吹奏楽も強い。
最初は「偶然かな?」と思っていました。
でも、そうじゃない。明らかに “空気が違う” んです。
練習への向き合い方
チームの声の出し方
目標の立て方や振り返り方
競技は違っても、「勝ち方の文化」が全体に染み渡っている感じ。
環境が文化をつくり、文化が強さを再生産していた。
この感覚、まさに『銃・病原菌・鉄』が伝えたかったことに近い気がしました。
そして思うのです。
日本企業って、ずっと “穏やかで恵まれた環境” にいたのかもしれません。
右肩上がりの経済
丁寧にやればうまくいく文化
終身雇用と年功序列
「変わる必要がなかった」
「今までのやり方で回っていた」
だから、進化の圧力が弱かった。
その結果、外の変化に対して鈍感になっていたのかもしれません。
そして今──まさに “環境が激変する時代” がきました。
コロナによる強制的な働き方の変化
DX、AI、自動化、クラウドの波
世界との競争、グローバルシフト
これは、『銃・病原菌・鉄』で言えば “病原菌” にさらされる時代。
組織の構造や文化が、問われているタイミングです。
でも、日本企業の多くは、いまだに反応が遅い。
「今まで通り」が染みついていて、変化の必要性にピンとこない。
これは、危機です。
でも一方で、僕はこうも思います。
進化を促すのは環境かもしれない。
でも、進化するかどうかは「意志」にかかっている。
実際、僕も “強制的な進化” を経験してきました。
ある日突然、会社の代表に任された
英語で提案資料を作る必要が出てきた
海外パッケージ製品の検証を担当することになった
全部、準備ができていたわけじゃない。
むしろ「え、無理では…?」という不安の方が大きかった。
でも、 “やるしかない” 状況に放り込まれたことで、意志と行動が生まれ、結果的にスキルが身についた。
やらされたことの中に、「意志を持ってやってよかった」がたくさんあったんです。
僕らは “銃” も “鉄” も持っていないかもしれません。
でも、学ぶ力と、繋がる力と、意思決定する力は持っている。
環境に変化を強いられたとき、
そこに “やらされ感” で応じるのか、 “選び取る姿勢” で応じるのか──
その違いが、進化を分けるのだと思います。
環境に反応するのではなく、環境に “応答する” 。
僕たちは今まさに、進化を「選び取れる側」にいる。
だったら、変わらなきゃもったいない。
自分で選び、自分で動くDXを、僕はこれからも後押ししていきたいと思います。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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