こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
うちのチームには、中国籍のSさんという若手メンバーがいます。
Sさんと日々接していて思うのは──
「この人、本当に “疑問を疑問のままにしない人” だなあ」ということ。
とにかく、何か気になるとすぐ質問してくる。
「なんでこの仕様にしたんですか?」「この言い回しは何を意図してるんですか?」
そのスピードと角度が、毎回鋭い(笑)
ある日、打ち合わせの合間にちょっと移動しようとしていたら、
「中平さん、ちょっとだけ質問いいですか」と声をかけられた。
「ごめん、時間がないから後でね」と言ったら──
「逃げないでください!」と追いかけてくる(笑)
パワフルというか、もはや執念。めちゃくちゃ信用できる。
でも、そういう行動を見るたびに、日本の “遠慮文化” とのギャップを強く感じるんです。
そんな Sさん とある日ランチをしていたとき、彼女がふとこんなことを言いました。
「日本って、守りすぎじゃないですか?」
最初は意味が分からなかったのですが、彼女の言葉にはこんな背景がありました。
何か新しいことをやるとき、日本の企業はすごく時間をかけて合意を取るんです。
一方で、中国では “やってみてから修正する” が当たり前。
そのスピード感の違いが、日本のDXを遅らせていると思うんです。」
彼女の口から出た「DXが遅いのは、慎重すぎる文化のせい」という言葉に、
僕はドキッとさせられました。
もちろん、丁寧であること、全員が納得することは大事です。
でも、それが “変わらない理由” になっていないか?と問われると、耳が痛い。
「失敗しないこと」が第一優先になっていないか?
「波風を立てないこと」が評価される文化になっていないか?
「まずやってみる」が、できなくなっていないか?
Sさんの行動力に触れると、日本人の “空気を読むこと” 、“人を立てること” の裏に
“止まる文化” が潜んでいることに気づかされます。
日本では、何かを提案しても、
稟議が必要
部署間の調整が必要
前例がない
顧客の様子を見てから
などなど、進まない理由がいくらでも出てきます。
これは裏を返せば、「守る力が強い文化」なんですよね。
そのおかげでミスは少ないし、調整もうまくいく。
でも、「動くまでが遅すぎる」ことが、今のDXの最大の敵になっているのかもしれません。
Sさんのような人は、「納得」よりも「やってみる」を優先します。
文化を変えるのは簡単じゃない。
でも、僕たちはその中で “意図的に動き方を選ぶ” ことはできる。
小さな改善でもすぐに動いてみる
完璧を目指す前にプロトタイプを作ってみる
「やってみてから考えよう」と声に出す
これは、組織や文化を壊すのではなく、文化の中で新しい振る舞いを “挿し込む” こと。
そして、そういう動き方をする人が少しずつ増えてくると、
「うちの会社、意外と早く動けるよね」と言われるようになる。
僕はそれを、 “内側からのDX” と呼んでいます。
Sさんに言われた「守りすぎでは?」という問いは、 “文化そのもの” への批判ではありません。
むしろ、文化の強さを理解したうえで、そこにどう “攻める姿勢” を挿し込むかという問いかけだったと思います。
文化は、すぐには変わらない
でも、文化の中で “動ける人” がいれば、未来は変わる
Sさんのように、相手が逃げようとしても「逃げないでください」と言える(笑)
そんなパワーを持つ人が増えたら、日本の組織も、もっと変わるんじゃないか。
僕たちが選べるのは、文化じゃなくて、行動だ。
そう信じて、今日も僕は“とりあえずやってみる”の姿勢でいようと思います。
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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