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中平コラムSeries55:「日本って守りすぎてない?」って話

作成者: 中平裕貴|2025年04月16日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

 

うちのチームには、中国籍のSさんという若手メンバーがいます。


Sさんと日々接していて思うのは──

「この人、本当に “疑問を疑問のままにしない人” だなあ」ということ。

 

とにかく、何か気になるとすぐ質問してくる。
「なんでこの仕様にしたんですか?」「この言い回しは何を意図してるんですか?」

 

そのスピードと角度が、毎回鋭い(笑)

 

ある日、打ち合わせの合間にちょっと移動しようとしていたら、

「中平さん、ちょっとだけ質問いいですか」と声をかけられた。

 

「ごめん、時間がないから後でね」と言ったら──

「逃げないでください!」と追いかけてくる(笑)

 

パワフルというか、もはや執念。めちゃくちゃ信用できる。
でも、そういう行動を見るたびに、日本の “遠慮文化” とのギャップを強く感じるんです。

 

 

「なぜ日本人は、すぐに動かないのか?」という問い

そんな Sさん とある日ランチをしていたとき、彼女がふとこんなことを言いました。

 

「日本って、守りすぎじゃないですか?」

 

最初は意味が分からなかったのですが、彼女の言葉にはこんな背景がありました。

 

何か新しいことをやるとき、日本の企業はすごく時間をかけて合意を取るんです。

一方で、中国では “やってみてから修正する” が当たり前。

そのスピード感の違いが、日本のDXを遅らせていると思うんです。」

 

彼女の口から出た「DXが遅いのは、慎重すぎる文化のせい」という言葉に、


僕はドキッとさせられました。

 

 

日本の“丁寧さ”と“遠慮”は、変化の敵になることがある

もちろん、丁寧であること、全員が納得することは大事です。

でも、それが “変わらない理由” になっていないか?と問われると、耳が痛い。

 

  • 「失敗しないこと」が第一優先になっていないか?

  • 「波風を立てないこと」が評価される文化になっていないか?

  • 「まずやってみる」が、できなくなっていないか?

 

 

Sさんの行動力に触れると、日本人の “空気を読むこと” 、“人を立てること” の裏に
“止まる文化” が潜んでいることに気づかされます。

 

 

僕たちの文化には、スピードを殺す仕掛けがある

日本では、何かを提案しても、

  • 稟議が必要

  • 部署間の調整が必要

  • 前例がない

  • 顧客の様子を見てから

 

などなど、進まない理由がいくらでも出てきます。

 

これは裏を返せば、「守る力が強い文化」なんですよね。

そのおかげでミスは少ないし、調整もうまくいく。


でも、「動くまでが遅すぎる」ことが、今のDXの最大の敵になっているのかもしれません。

 

 

僕たちは“攻めるための文化”をどう作るか?

Sさんのような人は、「納得」よりも「やってみる」を優先します。

 

文化を変えるのは簡単じゃない。


でも、僕たちはその中で “意図的に動き方を選ぶ” ことはできる。

  • 小さな改善でもすぐに動いてみる

  • 完璧を目指す前にプロトタイプを作ってみる

  • 「やってみてから考えよう」と声に出す

 

これは、組織や文化を壊すのではなく、文化の中で新しい振る舞いを “挿し込む” こと。

 

そして、そういう動き方をする人が少しずつ増えてくると、
「うちの会社、意外と早く動けるよね」と言われるようになる。

 

僕はそれを、 “内側からのDX” と呼んでいます。

 

 

まとめ:「文化は変えられない。でも、振る舞いは選べる」

Sさんに言われた「守りすぎでは?」という問いは、 “文化そのもの” への批判ではありません。

 

むしろ、文化の強さを理解したうえで、そこにどう “攻める姿勢” を挿し込むかという問いかけだったと思います。

 

  • 文化は、すぐには変わらない

  • でも、文化の中で “動ける人” がいれば、未来は変わる

 

 

Sさんのように、相手が逃げようとしても「逃げないでください」と言える(笑)

そんなパワーを持つ人が増えたら、日本の組織も、もっと変わるんじゃないか。

 

僕たちが選べるのは、文化じゃなくて、行動だ。

そう信じて、今日も僕は“とりあえずやってみる”の姿勢でいようと思います。

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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