中平コラムSeries55:「日本って守りすぎてない?」って話

なぜ日本はDXが進まないのか?中国籍社員との対話から、 “慎重すぎる文化” とどう付き合うべきかを考える。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

     

    うちのチームには、中国籍のSさんという若手メンバーがいます。


    Sさんと日々接していて思うのは──

    「この人、本当に “疑問を疑問のままにしない人” だなあ」ということ。

     

    とにかく、何か気になるとすぐ質問してくる。
    「なんでこの仕様にしたんですか?」「この言い回しは何を意図してるんですか?」

     

    そのスピードと角度が、毎回鋭い(笑)

     

    ある日、打ち合わせの合間にちょっと移動しようとしていたら、

    「中平さん、ちょっとだけ質問いいですか」と声をかけられた。

     

    「ごめん、時間がないから後でね」と言ったら──

    「逃げないでください!」と追いかけてくる(笑)

     

    パワフルというか、もはや執念。めちゃくちゃ信用できる。
    でも、そういう行動を見るたびに、日本の “遠慮文化” とのギャップを強く感じるんです。

     

     

    「なぜ日本人は、すぐに動かないのか?」という問い

    そんな Sさん とある日ランチをしていたとき、彼女がふとこんなことを言いました。

     

    「日本って、守りすぎじゃないですか?」

     

    最初は意味が分からなかったのですが、彼女の言葉にはこんな背景がありました。

     

    何か新しいことをやるとき、日本の企業はすごく時間をかけて合意を取るんです。

    一方で、中国では “やってみてから修正する” が当たり前。

    そのスピード感の違いが、日本のDXを遅らせていると思うんです。」

     

    彼女の口から出た「DXが遅いのは、慎重すぎる文化のせい」という言葉に、


    僕はドキッとさせられました。

     

     

    日本の“丁寧さ”と“遠慮”は、変化の敵になることがある

    もちろん、丁寧であること、全員が納得することは大事です。

    でも、それが “変わらない理由” になっていないか?と問われると、耳が痛い。

     

    • 「失敗しないこと」が第一優先になっていないか?

    • 「波風を立てないこと」が評価される文化になっていないか?

    • 「まずやってみる」が、できなくなっていないか?

     

     

    Sさんの行動力に触れると、日本人の “空気を読むこと” 、“人を立てること” の裏に
    “止まる文化” が潜んでいることに気づかされます。

     

     

    僕たちの文化には、スピードを殺す仕掛けがある

    日本では、何かを提案しても、

    • 稟議が必要

    • 部署間の調整が必要

    • 前例がない

    • 顧客の様子を見てから

     

    などなど、進まない理由がいくらでも出てきます。

     

    これは裏を返せば、「守る力が強い文化」なんですよね。

    そのおかげでミスは少ないし、調整もうまくいく。


    でも、「動くまでが遅すぎる」ことが、今のDXの最大の敵になっているのかもしれません。

     

     

    僕たちは“攻めるための文化”をどう作るか?

    Sさんのような人は、「納得」よりも「やってみる」を優先します。

     

    文化を変えるのは簡単じゃない。


    でも、僕たちはその中で “意図的に動き方を選ぶ” ことはできる。

    • 小さな改善でもすぐに動いてみる

    • 完璧を目指す前にプロトタイプを作ってみる

    • 「やってみてから考えよう」と声に出す

     

    これは、組織や文化を壊すのではなく、文化の中で新しい振る舞いを “挿し込む” こと。

     

    そして、そういう動き方をする人が少しずつ増えてくると、
    「うちの会社、意外と早く動けるよね」と言われるようになる。

     

    僕はそれを、 “内側からのDX” と呼んでいます。

     

     

    まとめ:「文化は変えられない。でも、振る舞いは選べる」

    Sさんに言われた「守りすぎでは?」という問いは、 “文化そのもの” への批判ではありません。

     

    むしろ、文化の強さを理解したうえで、そこにどう “攻める姿勢” を挿し込むかという問いかけだったと思います。

     

    • 文化は、すぐには変わらない

    • でも、文化の中で “動ける人” がいれば、未来は変わる

     

     

    Sさんのように、相手が逃げようとしても「逃げないでください」と言える(笑)

    そんなパワーを持つ人が増えたら、日本の組織も、もっと変わるんじゃないか。

     

    僕たちが選べるのは、文化じゃなくて、行動だ。

    そう信じて、今日も僕は“とりあえずやってみる”の姿勢でいようと思います。

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

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