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中平コラムSeries70:パッケージの“中の人”じゃない辛さって話

作成者: 中平裕貴|2025年05月13日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

僕はSIer側のプリセールスエンジニアとして、他社が作ったパッケージ製品を“担いで”提案する機会がよくあります。

で、今日は言いたい。

中の人じゃない提案、まじでツラいんよ…!」って話を。

 

他社パッケージ提案って、どういう立場?

・自社製品じゃないから、仕様の細部までは把握していない
・でも、顧客からすれば「あなたが詳しいんでしょ?」と思われてる
・ベンダーに確認したくても、即レスじゃない(むしろ遅い)
・最悪「仕様が変わってた/できないと言われた」とかもある

つまり、「外部の情報を必死で内側っぽく見せてる」立場なんです。

 

苦労あるあるランキング

第1位:仕様の“グレーゾーン”で即答を求められる
「この機能ってこういう条件でも動きますか?」
→(ぐぬぬ…ベンダーに確認しないとわからんけど…)
→「おそらく対応してると思います(震え声)」

言った瞬間、胃がキュッとするやつ。

第2位:サンドイッチ状態
顧客:「その要件、できるって言ってたじゃないですか!
ベンダー:「そんな仕様、うちの製品にはないですよ」
→中平:「(…だよね。詰んだ)」

立場的には“おにぎりの梅干し”。

第3位:「君、開発者じゃないの?」誤解地獄
ベンダー製品なのに、顧客からは

「この機能ってどういうロジックで動いてるんですか?」

って聞かれる。

いや、“作ってないです”って何回言えば伝わるのか…。

 

僕がやってる“3つの対策

①「事前に確認すべき“質問集”」を作る
→ よく出る質問をパッケージ化しておく。
→ できる/できない/要確認、の3区分で整理。

② ベンダーとの“人間関係づくり”を怠らない
→ Slackより、飲み会が大事なときもある。
→ 「この人ならちょっと融通きく」関係づくりがキモ。

③ “バッファ込みの誠実さ”を大事にする
→ 「できます」と断言しない。でも、「できるようにします」まで言う。

 

プリセールスは“翻訳者”であり“調整役

プリセールスって、技術をビジネスに翻訳する仕事ですが、
パッケージを扱うときはさらに一段上のスキルが求められます。

「自分で作ったわけじゃないものを、誰よりもわかりやすく伝える力」
「矛盾が出たときに、落とし所を見つける力」
「最後は自分が責任を取る覚悟」

これができると、一気に信頼されるようになります。

 

まとめ

他社パッケージを提案するときのプリセールスというのは、地味にしんどい仕事です。
自分で開発した製品ではないからこそ、すべてを把握しているわけではない。

 

それでもお客様からは「詳しいですよね?」と聞かれ、即答を求められる。
そうした中で求められるのは、“わからないことを、わかったように見せる力”、そして“答えられないときに誠実に対応する力”です。

でも、そんな苦労を重ねた先に、「あの人に任せれば大丈夫」と言ってもらえる瞬間があります。
それこそが、プリセールス冥利に尽きるというもの。

今回は、そんなプリセールスの裏側をちょっとだけ赤裸々に語ってみました。


次回は、「それでも僕が“プリセールス”を好きな理由」をお届けしたいと思います。
また読んでいただけたら嬉しいです。

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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