中平コラムSeries70:パッケージの“中の人”じゃない辛さって話

他社パッケージを提案するプリセールスのリアルな苦労とは?中の人じゃないからこその“あるある”な悩みと、信頼されるための工夫をユーモアを交えて紹介します。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

    僕はSIer側のプリセールスエンジニアとして、他社が作ったパッケージ製品を“担いで”提案する機会がよくあります。

    で、今日は言いたい。

    中の人じゃない提案、まじでツラいんよ…!」って話を。

     

    他社パッケージ提案って、どういう立場?

    ・自社製品じゃないから、仕様の細部までは把握していない
    ・でも、顧客からすれば「あなたが詳しいんでしょ?」と思われてる
    ・ベンダーに確認したくても、即レスじゃない(むしろ遅い)
    ・最悪「仕様が変わってた/できないと言われた」とかもある

    つまり、「外部の情報を必死で内側っぽく見せてる」立場なんです。

     

    苦労あるあるランキング

    第1位:仕様の“グレーゾーン”で即答を求められる
    「この機能ってこういう条件でも動きますか?」
    →(ぐぬぬ…ベンダーに確認しないとわからんけど…)
    →「おそらく対応してると思います(震え声)」

    言った瞬間、胃がキュッとするやつ。

    第2位:サンドイッチ状態
    顧客:「その要件、できるって言ってたじゃないですか!
    ベンダー:「そんな仕様、うちの製品にはないですよ」
    →中平:「(…だよね。詰んだ)」

    立場的には“おにぎりの梅干し”。

    第3位:「君、開発者じゃないの?」誤解地獄
    ベンダー製品なのに、顧客からは

    「この機能ってどういうロジックで動いてるんですか?」

    って聞かれる。

    いや、“作ってないです”って何回言えば伝わるのか…。

     

    僕がやってる“3つの対策

    ①「事前に確認すべき“質問集”」を作る
    → よく出る質問をパッケージ化しておく。
    → できる/できない/要確認、の3区分で整理。

    ② ベンダーとの“人間関係づくり”を怠らない
    → Slackより、飲み会が大事なときもある。
    → 「この人ならちょっと融通きく」関係づくりがキモ。

    ③ “バッファ込みの誠実さ”を大事にする
    → 「できます」と断言しない。でも、「できるようにします」まで言う。

     

    プリセールスは“翻訳者”であり“調整役

    プリセールスって、技術をビジネスに翻訳する仕事ですが、
    パッケージを扱うときはさらに一段上のスキルが求められます。

    「自分で作ったわけじゃないものを、誰よりもわかりやすく伝える力」
    「矛盾が出たときに、落とし所を見つける力」
    「最後は自分が責任を取る覚悟」

    これができると、一気に信頼されるようになります。

     

    まとめ

    他社パッケージを提案するときのプリセールスというのは、地味にしんどい仕事です。
    自分で開発した製品ではないからこそ、すべてを把握しているわけではない。

     

    それでもお客様からは「詳しいですよね?」と聞かれ、即答を求められる。
    そうした中で求められるのは、“わからないことを、わかったように見せる力”、そして“答えられないときに誠実に対応する力”です。

    でも、そんな苦労を重ねた先に、「あの人に任せれば大丈夫」と言ってもらえる瞬間があります。
    それこそが、プリセールス冥利に尽きるというもの。

    今回は、そんなプリセールスの裏側をちょっとだけ赤裸々に語ってみました。


    次回は、「それでも僕が“プリセールス”を好きな理由」をお届けしたいと思います。
    また読んでいただけたら嬉しいです。

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

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