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中平コラムSeries78:AIを1年使ってわかった“指示力”の正体って話

作成者: 中平裕貴|2025年05月25日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

 

昨年から、AIを活用したシステム開発を実戦でゴリゴリ回してきたんですが──

最近、改めて実感しています。

 

「AIを入れたからといって、全員が生産性爆上がりするわけじゃない。」

 

むしろ、使える人と使えない人で圧倒的な差が出る。

 

そしてその差を生むのが、「AIに指示を出す力」です。

 

 

「AI、便利らしいけど…何を聞けばいいの?」問題

「AI使ってみてよ」と言っても、

「何を聞けばいいかわかりません…」という反応、多すぎる。

 

AIはツール。魔法ではない。

雑に「システム作って」と言っても、そりゃ意図がズレた答えが返ってきます。

 

ある日、こんなやり取りがありました。

 

私:「ヒアリングからお願い」

若手:「…何をヒアリングすれば…?」

──おいおい、ヒアリングの “ヒ” の段階から教えなきゃダメか。

 

 

要件定義と設計は爆速。でも…

逆に、ちゃんと要件が決まっていて構成も明確なら、AIは神速です。

 

設計書 → 15分で草案完成

 

ドキュメント → ほぼ自動生成

 

ソースコード → プロトタイプ完成まで爆速

 

PoCや提案資料なんて、もう “AIに一発振るだけ” でできる時代。

でもそこでまた、落とし穴がある。

 

「出てきたコード、ちゃんとレビューできる人がいない…」

 

 

コードを出すのはAI。妥当性を見るのは“人間”

AIが出すコードは、「動く」けど「正しい」かどうかは別。

 

セキュリティは?パフォーマンスは?チームの設計方針に合ってる?

 

こういう判断ができないと、AIは “高速で不具合を量産する存在” になります。

 

 

指示力=PM力

ここで気づいたんです。

 

AIにうまく指示を出せるスキルと、PMがチームに指示を出すスキルって似てないか?

 

  • ゴールを明確にする
  • 約条件を言語化する
  • 進捗をレビューし、軌道修正する

 

要するに、PMが日々やっていることとAI活用は同じ構造なんです。

 

 

AI時代の“花形”は、実は設計者と提案者

AIを最大限活かせるのは、以下の領域です

 

  • 提案
  • 要件定義

 

この領域に強い人がいれば、

「実装はAIがやってくれるから、5人分のスピードが出る」

 

逆にここが弱いと、

「AIがいるのに、全員手持ち無沙汰」になります。

 

 

結論:「AIを使いこなす人」が“現代のエース”

AIがどれだけ進化しても、

「どう使うか」は人間の “問いの質” “判断の力” にかかっています。

 

AIはまるで優秀な部下。

ただし、上司の指示がふわっとしてたら、無限に迷走する。

 

そしてこの “指示力” こそ、現代のPMに最も必要なスキルじゃないかと思うのです。

 

 

まとめ

  • AIを使える人と使えない人の差は「指示の出し方」

 

  • 要件定義・設計・提案の領域はAI活用と相性抜群

 

  • コードはAIが書いても、妥当性判断は人間の仕事

 

  • PM力とAI指示力はほぼ同義

 

「技術よりのAIに強いPM」が、今一番面白いポジションかもしれない。

 

 

私は思うのです。

 

「あっ、こうすればいいのか!」

この瞬間こそが、技術者にとっての最大の快感であり、醍醐味だと。

 

それはただの作業じゃない。

“答えを導く快楽” であり、 “構造を読み解く喜び”

 

だからAIに指示を出す仕事も、「どう聞けば答えが導けるか?」という、ひらめきの連続 なのです。

 

ひらめく人間がいてこそ、AIは輝く。

 

私は、そんな「ひらめくPM/エンジニア」が、現代の理想像なんじゃないかと思っています。

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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