中平コラムSeries78:AIを1年使ってわかった“指示力”の正体って話

「AIに何を聞けばいいのかわからない人へ」1年間AIを活用して感じた、AIに指示を出す力とPMスキルの共通点を実体験から語ります。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

     

    昨年から、AIを活用したシステム開発を実戦でゴリゴリ回してきたんですが──

    最近、改めて実感しています。

     

    「AIを入れたからといって、全員が生産性爆上がりするわけじゃない。」

     

    むしろ、使える人と使えない人で圧倒的な差が出る。

     

    そしてその差を生むのが、「AIに指示を出す力」です。

     

     

    「AI、便利らしいけど…何を聞けばいいの?」問題

    「AI使ってみてよ」と言っても、

    「何を聞けばいいかわかりません…」という反応、多すぎる。

     

    AIはツール。魔法ではない。

    雑に「システム作って」と言っても、そりゃ意図がズレた答えが返ってきます。

     

    ある日、こんなやり取りがありました。

     

    私:「ヒアリングからお願い」

    若手:「…何をヒアリングすれば…?」

    ──おいおい、ヒアリングの “ヒ” の段階から教えなきゃダメか。

     

     

    要件定義と設計は爆速。でも…

    逆に、ちゃんと要件が決まっていて構成も明確なら、AIは神速です。

     

    設計書 → 15分で草案完成

     

    ドキュメント → ほぼ自動生成

     

    ソースコード → プロトタイプ完成まで爆速

     

    PoCや提案資料なんて、もう “AIに一発振るだけ” でできる時代。

    でもそこでまた、落とし穴がある。

     

    「出てきたコード、ちゃんとレビューできる人がいない…」

     

     

    コードを出すのはAI。妥当性を見るのは“人間”

    AIが出すコードは、「動く」けど「正しい」かどうかは別。

     

    セキュリティは?パフォーマンスは?チームの設計方針に合ってる?

     

    こういう判断ができないと、AIは “高速で不具合を量産する存在” になります。

     

     

    指示力=PM力

    ここで気づいたんです。

     

    AIにうまく指示を出せるスキルと、PMがチームに指示を出すスキルって似てないか?

     

    • ゴールを明確にする
    • 約条件を言語化する
    • 進捗をレビューし、軌道修正する

     

    要するに、PMが日々やっていることとAI活用は同じ構造なんです。

     

     

    AI時代の“花形”は、実は設計者と提案者

    AIを最大限活かせるのは、以下の領域です

     

    • 提案
    • 要件定義

     

    この領域に強い人がいれば、

    「実装はAIがやってくれるから、5人分のスピードが出る」

     

    逆にここが弱いと、

    「AIがいるのに、全員手持ち無沙汰」になります。

     

     

    結論:「AIを使いこなす人」が“現代のエース”

    AIがどれだけ進化しても、

    「どう使うか」は人間の “問いの質” “判断の力” にかかっています。

     

    AIはまるで優秀な部下。

    ただし、上司の指示がふわっとしてたら、無限に迷走する。

     

    そしてこの “指示力” こそ、現代のPMに最も必要なスキルじゃないかと思うのです。

     

     

    まとめ

    • AIを使える人と使えない人の差は「指示の出し方」

     

    • 要件定義・設計・提案の領域はAI活用と相性抜群

     

    • コードはAIが書いても、妥当性判断は人間の仕事

     

    • PM力とAI指示力はほぼ同義

     

    「技術よりのAIに強いPM」が、今一番面白いポジションかもしれない。

     

     

    私は思うのです。

     

    「あっ、こうすればいいのか!」

    この瞬間こそが、技術者にとっての最大の快感であり、醍醐味だと。

     

    それはただの作業じゃない。

    “答えを導く快楽” であり、 “構造を読み解く喜び”

     

    だからAIに指示を出す仕事も、「どう聞けば答えが導けるか?」という、ひらめきの連続 なのです。

     

    ひらめく人間がいてこそ、AIは輝く。

     

    私は、そんな「ひらめくPM/エンジニア」が、現代の理想像なんじゃないかと思っています。

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

    🛠 技術領域

    アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

    📈 事業・営業経験

    SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

    🏗 組織マネジメント

    リーダー育成、組織改革、チームビルディング

     

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