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中平コラムSeries94:巨人に喰われた在庫たち〜死に筋商品の反乱って話

作成者: 中平裕貴|2025年06月15日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

 

その商品は、かつて「売れる」と信じられていた。

 

しかし現実は非情だった――

 

棚の奥で眠り続ける “在庫” たち。

彼らは今、静かにこう叫んでいる。

 

「なぜ、私を仕入れたのか?」

 

 

死に筋の正体、それは “誤解” だった

マーチャンダイジングにおいて、“売れない商品” は避けて通れません。

ただし、それが単なる「不人気」ではなく、判断ミス・配置ミス・タイミングミスだったとしたら...?

 

「流行のカラーだと思った」

「去年売れたから、今年もいけると思った」

「競合が扱ってるから仕入れてみた」

 

――すべて、数字が語ってくれていたはずです。

 

 

死に筋が起こす “サイレントクーデター”

死に筋商品は、静かに組織を蝕みます。

 

  • 在庫コストを押し上げる
  • 売上構成比を歪ませる
  • 売れ筋への補充予算を奪う
  • 売場の回転率を悪化させる

 

これが、いわば「在庫という巨人に喰われた状態」

 

しかし、現場ではその悲鳴が聞こえません。

なぜなら、見えないからです。

 

 

可視化せよ、反乱を鎮めるには “ダッシュボード” がいる

死に筋を黙らせるには、まず彼らにスポットライトを当てることです。

 

たとえば...

 

  • 一定期間売上ゼロ商品の抽出
  • 回転率 × 利益率 のマトリクス
  • 店舗別の“負債在庫”ヒートマップ
  • 季節外商品と季節誤差の棚卸し

 

これらを自動で可視化し、アラートするダッシュボードが、死に筋の“反乱”を未然に防ぎます。

 

 

敵は、仕入れではない。“放置” だ

MD(マーチャンダイジング)の現場では、時に「仕入れミス=戦犯扱い」される風潮があります。

でも本当に責められるべきは、“気づいていたのに動かなかった放置” です。

 

なぜなら、いまや

 

  • 売上ゼロの棚をAIが警告してくれる
  • 需要予測の外れ値をBIが指摘してくれる
  • 倉庫在庫の “異常滞留” を視覚的に知らせてくれる

 

そんな時代なのです。

 

 

最後に:ダッシュボードは “在庫の声” を翻訳する

商品たちは、語らない。

でも、数字として叫んでいます。

 

「なぜ売れなかったのか」

「いつから売れていないのか」

「どこで誰が、私を仕入れたのか」

 

ダッシュボードは、そんな彼らの “声なき声” を翻訳する通訳者。

 

在庫の反乱を鎮め、組織に学習をもたらす――

それが、次なる戦いへの備えになるのです。

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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