中平コラムSeries94:巨人に喰われた在庫たち〜死に筋商品の反乱って話
“なんとなく売れると思ってた商品”、それが倉庫の闇を埋め尽くす…。死に筋商品の正体とは?可視化がなぜ必要なのか?

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
その商品は、かつて「売れる」と信じられていた。
しかし現実は非情だった――
棚の奥で眠り続ける “在庫” たち。
彼らは今、静かにこう叫んでいる。
「なぜ、私を仕入れたのか?」
死に筋の正体、それは “誤解” だった
マーチャンダイジングにおいて、“売れない商品” は避けて通れません。
ただし、それが単なる「不人気」ではなく、判断ミス・配置ミス・タイミングミスだったとしたら...?
「流行のカラーだと思った」
「去年売れたから、今年もいけると思った」
「競合が扱ってるから仕入れてみた」
――すべて、数字が語ってくれていたはずです。
死に筋が起こす “サイレントクーデター”
死に筋商品は、静かに組織を蝕みます。
- 在庫コストを押し上げる
- 売上構成比を歪ませる
- 売れ筋への補充予算を奪う
- 売場の回転率を悪化させる
これが、いわば「在庫という巨人に喰われた状態」。
しかし、現場ではその悲鳴が聞こえません。
なぜなら、見えないからです。
可視化せよ、反乱を鎮めるには “ダッシュボード” がいる
死に筋を黙らせるには、まず彼らにスポットライトを当てることです。
たとえば...
- 一定期間売上ゼロ商品の抽出
- 回転率 × 利益率 のマトリクス
- 店舗別の“負債在庫”ヒートマップ
- 季節外商品と季節誤差の棚卸し
これらを自動で可視化し、アラートするダッシュボードが、死に筋の“反乱”を未然に防ぎます。
敵は、仕入れではない。“放置” だ
MD(マーチャンダイジング)の現場では、時に「仕入れミス=戦犯扱い」される風潮があります。
でも本当に責められるべきは、“気づいていたのに動かなかった放置” です。
なぜなら、いまや
- 売上ゼロの棚をAIが警告してくれる
- 需要予測の外れ値をBIが指摘してくれる
- 倉庫在庫の “異常滞留” を視覚的に知らせてくれる
そんな時代なのです。
最後に:ダッシュボードは “在庫の声” を翻訳する
商品たちは、語らない。
でも、数字として叫んでいます。
「なぜ売れなかったのか」
「いつから売れていないのか」
「どこで誰が、私を仕入れたのか」
ダッシュボードは、そんな彼らの “声なき声” を翻訳する通訳者。
在庫の反乱を鎮め、組織に学習をもたらす――
それが、次なる戦いへの備えになるのです。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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