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中平コラムSeries95:調査兵団のMD戦術〜 “売れる仕組み” を作る者たちって話

作成者: 中平裕貴|2025年06月16日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

 

「なぜ売れたのか」を知る者は、未来を設計できる。

 

調査兵団が巨人の行動原理を解き明かしたように、

マーチャンダイザーもまた “売上” という巨人の法則を探っていく。

 

これは、売れる仕組みを追い求めた者たちの、戦術の記録である。

 

 

“戦略なき仕入れ” は、兵なしで突撃するに等しい

多くの小売現場では、いまだに “感覚仕入れ” が蔓延しています。

 

「店長のセンスで発注している」

「前回売れたから、今回もいけるだろう」

「周りが売ってるからうちも」

 

これでは、まるで偵察もせず、兵力も整えずに突撃するのと同じ。

つまり、「情報なき仕入れ = 特攻作戦」なのです。

 

 

“売れる仕組み” を設計するための3つの戦術

調査兵団が「巨人の生態」を理解してから反撃を始めたように、

MD(マーチャンダイジング)でも「売れる理由」を理解してこそ、戦術が立てられます。

 

ここでは、現代の “MD調査兵団” が使っている3つの戦術を紹介します。

 

戦術①:売上分析による“因果の特定”

・顧客属性別売上

・時間帯別売上・天候・曜日との相関

・エリア別売れ筋/死に筋パターン

 

「誰が・いつ・なぜ買ったか」を把握

→ 巨人で言えば「夜行性か?突進型か?」の把握にあたる

 

戦術②:フェーズ別KPIの可視化

・店頭訴求(来店数)→ 手に取る(接触率)→ 試着/体験 → 購入

・各ステップの転換率(CVR)をトラッキング

 

顧客の “行動ルート” を地図化し、どこで離脱しているかを把握

→巨人戦における “行動パターンのマッピング” と同じアプローチ

 

戦術③:仮説と実行のサイクルを高速で回す

・「このレイアウトで売れるか?」

・「このキャッチコピーで足が止まるか?」

→ 即テスト → ダッシュボードで追跡 → 判断 → 次へ

 

常に 仮説を立てて検証できる環境 が必要

→ 巨人に挑む “壁外遠征” のように、毎回データを持ち帰り、進化する

 

 

戦術に必要なのは “現場×データ” の共闘

机上の空論ではなく、現場の声を取り入れたダッシュボード設計が鍵です。

 

  • 店舗スタッフがすぐ見れるUI
  • 現場の疑問に即答できる指標
  • 分析専門家でなくても使える操作性

 

つまり、“兵と司令官が同じ地図を見ること” が重要なのです。

 

 

最後に:売れる仕組みを築く者が、未来を変える

仕入れや売上は、“作戦” です。

そして作戦には、情報が、準備が、戦術が必要です。

 

売れた理由を知り、再現し、組織で共有する――

それが  “MD調査兵団” の使命なのです。

 

「私は、売れ筋を “予測” するのではない。売れるように “掛ける” のだ。」

 

そんな言葉が、マーチャンダイザーの口から自然と出てくる日が来たとき、

それが、“売上という巨人に立ち向かう準備が整った日” なのかもしれません。

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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