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中平コラムSeries86:ローコード地獄の潜り抜け方って話

作成者: 中平裕貴|2025年06月03日

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

 

 

前回「ローコード開発で生産性は上がるのか?」という記事で、「ローコード地獄」にハマる話を書きました。

(前回の記事はこちらから → 中平コラムSeries85:ローコード開発で爆速開発!…のはずが、なぜか泥沼になるって話

 

今回は、その地獄からどう這い上がるかの話です。

 

 

地獄を抜ける第一歩:ツールの特性、ぜんぶ知ってますか?

ローコードツール、見た目は優しげでも中身は割とクセ強め。

まずはその特性を理解することからスタートです。

 

・ワークフロー強めなのか

・データモデリング重視なのか

・UIテンプレ型なのか、DIY型なのか

 

これを知らずに設計を始めると、「方眼紙に油性ペンで書いた設計書」みたいになります。

消せない、直せない、誰も幸せにならない。

 

とりあえず、1.5倍の工数を見積もっておこう(大体ゆるされない)

 

 

地獄脱出その2:検証期間をケチると後で泣く

ローコード導入でありがちなのが

「1ヶ月でプロトタイプ出して、2ヶ月目には本番!」みたいな甘いスケジュール感。

 

でもそれ、“未知の生き物をペットにする勢い” ですよ?

 

最低でも1ヶ月は触り倒す検証期間を確保しましょう。

 

中で何が起きてるのか、どう保存されてるのか、“黒魔術”みたいな裏設定を探し当てる時間が必要です。

 

 

地獄脱出その3:触って、触って、触り倒せ!

仕様書を読むより、自分で触ったほうが早い。

ローコードは「百聞は一見に如かず」どころか、「一操作は百資料に勝る」です。

 

プロジェクト初期、職人みたいに触り続ける人が1人でもいると、成功率がぐんと上がります。

 

 

地獄脱出その4:設計思想を“合わせにいく”覚悟

ローコードには “思想” があります。

たとえば、「すべてのデータはテーブルを通れ」とか「承認ワークフローは絶対だ」とか。

 

この思想に逆らうと、まるで「フランス料理で醤油ラーメンを作る」ような悲劇が起こります。

 

だから、「思想に合わせた設計」をする勇気が大事。

 

逆に合わないなら、「ここは外注 or コーディング」と割り切る判断力も必要。

 

 

地獄脱出その5:Accessの霊を呼び出そう

ローコードツールの元祖って、たぶん「Microsoft Access」だと思うんです。

 

あれって、

 

・テーブル設計ができて

・フォームでUIが作れて

・マクロとVBAで動作も作れて

・ユーザーは満足してくれる

 

そう、全部あるんですよ。

 

Accessを触っておくことで、

「このツールはAccessと似てるな」とか「これはAccessの“あれ”の進化形だな」とか、ローコードの “パターン予測” がつくようになります。

 

Microsoft Access、実は今でも生きてます。

 

昭和の幽霊じゃなくて、令和のベテラン。

 

 

一般論も添えておきます

ここまで熱量高めに語りましたが、冷静にまとめると

 

  • 目的を明確にする(社内利用か、社外公開か)
  • 技術選定に複数人の目を入れる(1人判断は危険)
  • 継続的な見直しサイクルを設ける
  • そのツールをやめるときの撤退戦も考える

 

こうしたポイントも忘れずに。

 

ローコード導入は短期での爆速と、長期での保守性のバランスが命です。

 

 

まとめ:地獄を抜けたその先に…

ローコードは、道具です。

使い方次第で、あなたの味方にもなれば、敵にもなる。

 

その鍵は、「知って」「触って」「設計する」──

そして Access に手を合わせる勇気かもしれません。

 

ではまた!

 

 

 

 

 

著者情報


 

中平 裕貴(Yuki Nakahira)

株式会社エスワイシステム 関東事業本部

関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

 

『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

 

エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

 

🛠 技術領域

アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

📈 事業・営業経験

SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

🏗 組織マネジメント

リーダー育成、組織改革、チームビルディング

 

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