こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
前回「ローコード開発で生産性は上がるのか?」という記事で、「ローコード地獄」にハマる話を書きました。
(前回の記事はこちらから → 中平コラムSeries85:ローコード開発で爆速開発!…のはずが、なぜか泥沼になるって話)
今回は、その地獄からどう這い上がるかの話です。
ローコードツール、見た目は優しげでも中身は割とクセ強め。
まずはその特性を理解することからスタートです。
・ワークフロー強めなのか
・データモデリング重視なのか
・UIテンプレ型なのか、DIY型なのか
これを知らずに設計を始めると、「方眼紙に油性ペンで書いた設計書」みたいになります。
消せない、直せない、誰も幸せにならない。
とりあえず、1.5倍の工数を見積もっておこう(大体ゆるされない)
ローコード導入でありがちなのが
「1ヶ月でプロトタイプ出して、2ヶ月目には本番!」みたいな甘いスケジュール感。
でもそれ、“未知の生き物をペットにする勢い” ですよ?
最低でも1ヶ月は触り倒す検証期間を確保しましょう。
中で何が起きてるのか、どう保存されてるのか、“黒魔術”みたいな裏設定を探し当てる時間が必要です。
仕様書を読むより、自分で触ったほうが早い。
ローコードは「百聞は一見に如かず」どころか、「一操作は百資料に勝る」です。
プロジェクト初期、職人みたいに触り続ける人が1人でもいると、成功率がぐんと上がります。
ローコードには “思想” があります。
たとえば、「すべてのデータはテーブルを通れ」とか「承認ワークフローは絶対だ」とか。
この思想に逆らうと、まるで「フランス料理で醤油ラーメンを作る」ような悲劇が起こります。
だから、「思想に合わせた設計」をする勇気が大事。
逆に合わないなら、「ここは外注 or コーディング」と割り切る判断力も必要。
ローコードツールの元祖って、たぶん「Microsoft Access」だと思うんです。
あれって、
・テーブル設計ができて
・フォームでUIが作れて
・マクロとVBAで動作も作れて
・ユーザーは満足してくれる
そう、全部あるんですよ。
Accessを触っておくことで、
「このツールはAccessと似てるな」とか「これはAccessの“あれ”の進化形だな」とか、ローコードの “パターン予測” がつくようになります。
Microsoft Access、実は今でも生きてます。
昭和の幽霊じゃなくて、令和のベテラン。
ここまで熱量高めに語りましたが、冷静にまとめると
こうしたポイントも忘れずに。
ローコード導入は短期での爆速と、長期での保守性のバランスが命です。
ローコードは、道具です。
使い方次第で、あなたの味方にもなれば、敵にもなる。
その鍵は、「知って」「触って」「設計する」──
そして Access に手を合わせる勇気かもしれません。
ではまた!
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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