
こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
近年、「ビジネスのことを理解できるSE(システムエンジニア)」の育成が重要視されています。
従来のSEは、技術力を駆使してシステムを開発することが主な役割でしたが、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むにつれ、大手IT企業もSI事業だけでなく、コンサルタント人材の育成に力を入れ始めています。
つまり、技術だけでなくビジネス視点を持つSEの価値がとても高くなっているということ。
エスワイシステムでは、「3SE」という概念をがあります。
この3SEでは、以下の3つ視点を持つことを提唱しています。
・システムエンジニア(System Engineer)
・サービスエンジニア(Service Engineer)
・セールスエンジニア(Sales Engineer)
顧客のニーズを深く理解し、ビジネスに貢献できるエンジニアとしてSEに求められるスキルセットを拡張し、ビジネスと技術の両面から価値を提供を目指しているのです。
抽象化能力を鍛える 〜「領域展開」のように視野を広げる〜
SEがビジネス視点を持つためには、情報を抽象化して捉える能力が不可欠です。
これはまるで「領域展開」のようなもの。
最初は目の前のコードや設計書の情報しか見えなくても、訓練次第で広範囲を把握し、より高次な視点から自分が関わっているもの全てを見渡せるようになります。
抽象化とは?
たとえば、「ポチ」という犬がいたとします。
これを抽象化すると「犬」、さらに「哺乳類」、そして「生物」へとカテゴリーが広がります。
このように、具体的な事象をより広い概念にまとめることで、異なる分野に応用できる思考力が身につきます。
私自身の経験から言えば、「お客様の思考を超える」ことを意識することが、抽象化能力を鍛える大きな要因でした。
「なぜこのシステムが必要なのか?」
「本当に求めているものは何か?」
「お客様が気が付いていないことは何か?」
「この提案に反論するとしたらどのような反論があるのか?」
と問いを繰り返し、ビジネスの本質を探ることで、徐々に抽象化の力が養われました。
また、抽象化能力が高まると未来を見通す力がつきます。これはまさに「六眼」を持つようなもの。
過去のパターンを分析し、現在の状況と照らし合わせることで、次に何が起こるかを考えられるようになります。
抽象化能力を鍛えるトレーニング方法 〜「術式順転」と「術式反転」を意識せよ〜
では抽象化能力はどのように鍛えたらよいのでしょうか?いくつか挙げてみました。
1. 本をたくさん読む(術式順転)
知識をインプットし、新しい視点を得ることで、抽象化能力が鍛えられます。
まるで「術式順転」のように、外部から得た知識を蓄積し、思考を強化していきます。
2. たくさんアウトプットする(術式反転)
読んだことを整理し、言語化することで理解が深まります。
ブログを書く、プレゼンをするなどと自分の考えを外に出すことが重要です。
「術式反転」のように、内部で蓄積した情報を整理し、実践で活用することで新たな価値を生み出せます。
3. イメージする訓練をする(領域展開)
何かを見たときに、抽象度を上げて考える習慣をつけることで、思考の幅が広がります。
これは「領域展開」のようなもの。自分の視点を広げ、全体像を把握する力を身につけます。
(例)
- 「自分のパソコン」 → 電子機器 → 道具 → 人類の知的進化の産物
- 「スマホ」 → 通信機器 → 情報端末 → デジタル社会の象徴
- 「日本橋浜町」 → 地域 → 都市構造 → 社会経済の一部
- 「五条悟」 → 特級呪術師 → 六眼と無下限呪術の使い手 → 現代呪術界の最強
このように、日常のあらゆるものを階層的に捉えることで、広い視野を持つトレーニングができます。
まとめ 〜「最強」のSEを目指せ!〜
ビジネスのことを理解したSEは、企業にとって非常に貴重な存在です。
技術だけでなく、抽象化能力を鍛えて「ビジネスの文脈を理解できるSE」 になることで本質的な力を手に入れ、どこであったとしても、たとえIT業界でなかったとしても必要とされる人材となります。
まずは「なぜ?」「もしかしたら違うのでは?」と問い続けることから始めましょう。
日々の業務の中で意識的に抽象化能力を鍛え、「ビジネスがわかるSE」への第一歩を踏み出していきましょう!
まさに 「最強」 のSEを目指すのです。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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