中平コラムSeries12:ビジネスがわかるSEが実際に価値を発揮する瞬間の話

ビジネスがわかるSEは、プロジェクトの価値を最大化する。SEがビジネス視点を発揮する瞬間を具体例とともに解説。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

    システムエンジニア(SE)は、技術を駆使してシステムを設計・開発するのが主な役割とされてきました。

     

    しかし、単なる技術者ではなく「ビジネスがわかるSE」になることで、企業やプロジェクトに与える影響が大きく変わります。

     

    では、具体的に 「ビジネス視点を持ったSE」 が価値を発揮するのはどんな瞬間でしょうか?

    実際の現場で起こりがちなケースを交えて考えてみましょう。

     

    SEに求められるビジネススキルについての話はこちら↓

    中平コラムSeries11:SEに求められるビジネススキルについての話

     

     

    要件定義の精度が格段に上がる 〜「無量空処」な要件定義を回避せよ〜

    技術だけのSE

    • 「このシステムをどう作るか?」に注目し、仕様をまとめる
    • 顧客の要求をそのまま実装しようとする

     

    ビジネスがわかるSE

    • 「このシステムを作ることで、ビジネスにどんな影響があるか?」まで考える
    • 「本当に必要な機能か?」 を問い直し、不要な仕様を削減する
    • 「もっと良い解決策がないか?」 を提案する

     

    価値を発揮する瞬間

    「顧客がなんとなく考えた機能要望をビジネス目線で整理し直し、最小の工数で最大の価値を提供できるシステムに仕上げることができる。」

     

    例えば、「ユーザー管理機能が欲しい」と言われたとします。
    技術視点だけだと「登録・更新・削除」の画面をそのまま作りますが、
    ビジネス視点があると「そもそも手動で管理すべきか?」「外部認証と連携できないか?」と考えます。

     

    無量空処(むりょうくうしょ) のように情報を詰め込みすぎると、結局何が重要かわからなくなってしまいます。
    要件定義は 「シンプルで強力な術式」 に仕上げることが重要です。

     

     

    顧客との会話の質が変わる 〜「黒閃」を打ち込め!〜

    技術だけのSE

    • 技術的な用語ばかり使い、顧客が理解できない
    • 顧客が求める機能をそのまま受け入れる

     

    ビジネスがわかるSE

    • 技術の話を「ビジネスの言葉」で伝えられる
    • 逆に、顧客のビジネス課題を技術的な観点で整理し直せる

     

    価値を発揮する瞬間

    「顧客との打ち合わせで、技術の話をわかりやすく伝え、意思決定をスムーズにすることができる。」

     

    例えば、「データをクラウドに移行したい」という要望があったとします。
    技術視点だけだと「AWSかAzureか?」と選択肢の話をしますが、
    ビジネス視点があると「オンプレの運用コストは?」「セキュリティや規制の影響は?」とビジネス課題から整理することができます。

     

    「黒閃」のように、ビジネスと技術の間に ピンポイントで最適解を打ち込む力 が求められます。

     

     

    コストとROIを考えた設計ができる 〜「六眼」の視点で未来を見る〜

    技術だけのSE

    • できるだけ最新技術を使いたがる
    • 「この技術は流行っているから採用したい」と考える

     

    ビジネスがわかるSE

    • 導入コストと運用コストを考慮し、最適な技術を選ぶ
    • 長期的なメンテナンス性やリスクも評価できる

     

    価値を発揮する瞬間

    「単に最新技術を導入するのではなく、ビジネスの収益性を考えた設計をすることができる。」

     

    例えば、最新のクラウドサービスをフル活用する案があったとして、
    「社内に運用できるエンジニアがいないため、結果的にコストが増える」ことを考慮し、
    シンプルなオンプレとクラウドのハイブリッド構成を提案することができる。

     

    未来を見通す「六眼」のように、長期的なROI(投資対効果)を見極める力が不可欠です。

     

     

    プロジェクトがスムーズに進む 〜「術式反転」でトラブルを好転させる〜

    技術だけのSE

    • 設計や開発の進め方が「技術的な都合」に偏る
    • 「仕様変更が入るたびに工数が増える」と嘆く

     

    ビジネスがわかるSE

    • プロジェクトの目的を理解し、柔軟な進め方を選択できる
    • 仕様変更が起こることを前提に、影響を最小限に抑える仕組みを設計する

     

    価値を発揮する瞬間

    「仕様変更が入っても、影響を抑えて柔軟に対応し、スムーズな開発進行を実現することができる。」

     

    例えば、「ユーザー登録時に追加情報が必要になった」となったとき、
    設計の自由度を確保していたおかげで、最小限の修正で対応できる。

     

    そもそも実際に動かすまではその仕様で良いのか、なんて分からないですしね。。

     

    仕様変更は 「術式反転」 することで、危機をチャンスに変えられます。

     

     

    ビジネスがわかるSEは、プロジェクトの価値を最大化する

    「ビジネスがわかるSE」は、単なる技術者ではなく、プロジェクト全体の価値を最大化する存在です。

     

    1. 要件定義を最適化し、無駄な開発を防ぐ(無量空処を回避)
    2. 顧客との会話の質を高め、的確な提案ができる(黒閃を打ち込め)
    3. 技術選定においてコストとROIを考慮する(六眼で未来を見ろ)
    4. プロジェクトの進行をスムーズにし、柔軟な対応ができる(術式反転で危機を好転)

     

    まさに、「最強」のSEを目指すために、日々の業務の中で 「ビジネスの視点」 を鍛えていきましょう。

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    🛠 技術領域

    アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、

    📈 事業・営業経験

    SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル

    🏗 組織マネジメント

    リーダー育成、組織改革、チームビルディング

     

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