中平コラムSeries20:【ディープリサーチとは?】最新AIリサーチ手法と主要AIの今後の動向
2025年2月にOpenAIが発表したディープリサーチとは?AI業界の未来予測レポートを生成し、精度を検証。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
AI技術の進化は目覚ましく、特に生成AIの登場以降、業界全体の構造が大きく変わりつつあります。
そして、2025年2月3日にOpenAIが発表した「ディープリサーチ」は、AIによる情報収集・分析のあり方を大きく変える可能性を持っています。
本記事では、「AIのサービスとしてのディープリサーチ」の概要と活用方法、さらに、ディープリサーチを用いた主要AI企業の今後の展望をまとめました。
それでは、見てみよう!
ディープリサーチとは?
従来のAI活用と何が違うのか?
これまでのAI活用は、主に以下のような使い方が一般的でした。
- 情報検索・要約:Webや論文を読み込ませ、短時間で要点を抽出する
- 文章作成補助:記事やメール、レポートの作成を支援する
- コード生成・デバッグ:プログラミングを効率化する
- データ分析・可視化:BIツールの補助やデータのインサイト抽出
ディープリサーチは、これらを超えて、より高度で専門的なリサーチをAIが実行できるようにする新しい技術です。
ディープリサーチのローンチ
ディープリサーチは、2025年2月3日 にOpenAI によって発表されました。
これは、複雑なリサーチタスクをインターネット上で自動的に実行し、数時間かかる人間の作業を数十分で完了できる という新機能です。
当初は Proユーザー向けに提供が開始 され、今後は PlusおよびTeamユーザーにも順次利用可能 となる予定です。
ディープリサーチでできること
1. 複雑なテーマの分析・洞察
-
- ただの要約ではなく、複数のデータソースを横断し、深層的な分析を行う
- 例:「AI業界の未来予測」「企業の市場動向」
2. 動的な情報収集とリアルタイム分析
-
- 従来のAIは「学習データに基づく出力」が中心だったが、ディープリサーチでは最新の情報を組み合わせて更新できる
- 例:「今月発表されたAIの新機能まとめ」「競合企業の最新技術」
3. 戦略策定のサポート
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- 膨大なデータを解析し、最適な意思決定のためのインサイトを提供
- 例:「ある技術を導入すべきかどうかの判断」「競合他社との比較」
4. 専門分野の知見を統合
-
- 企業の財務情報、技術トレンド、法規制などを統合的に分析し、専門家レベルのリサーチを支援
- 例:「特定の市場におけるAIの影響」「法規制の変化が技術開発に与える影響」
これにより、従来のAIツールとは異なり、AIが単なる補助ツールではなく、リサーチャーやアナリストのような役割を果たせるようになります。
ディープリサーチを用いてレポート作成してみた
今回は、実際に、ディープリサーチを使って、AI業界の未来予想のレポートを作成してもらいました。
大体10分ほどで200近くのWEBサイトを探索し、コンサルティング会社のようなレポートを作成してくれました。
ディープリサーチに投じたプロンプトは以下の通りです。
(プロンプト自体もAIを用いて作成)
以下の観点からAI業界の未来予測レポートを作成してください。
(1) AI技術の進化の方向性:
- 自然言語処理、画像認識、音声認識など、各分野における技術革新の現状と将来展望を調査
- 特に、Transformer、GAN、強化学習などの最新技術の動向を分析
- 量子コンピュータやニューロモーフィックコンピューティングなどの次世代技術がAIに与える影響を考察
(2) AIの社会実装と倫理:
- 自動運転、医療、金融、教育など、AIが社会に浸透していく具体的なユースケースを調査
- AIの倫理的な問題点、プライバシー、バイアス、雇用問題などを分析
- AIガバナンスの必要性と、国際的な規制の動向を調査
(3) AI業界の競争と協調:
- Google、Microsoft、Amazonなどの巨大IT企業のAI戦略を分析
- OpenAI、Stability AIなどのオープンソースAIの動向を調査
- 産業、学術、政府間の連携と競争の現状と将来展望を分析
(4) AI人材の育成と確保:
- AI人材の需要と供給の現状と将来予測を調査
- AI人材に必要なスキルと教育の現状を分析
- 人材育成のための政府の政策や企業の取り組みを調査
(5) 日本のAI業界の現状と課題:
- 日本のAI技術の強みと弱みを分析
- AI導入における日本の企業の課題を調査
- 政府のAI戦略と、日本のAI業界の将来展望を分析
(6) 上記の調査に基づき、AI業界の未来予測をまとめ、以下の観点から考察を加えてください。
- AI技術の発展が社会や経済に与える影響
- AI倫理の重要性と、社会における合意形成の必要性
- AI業界における国際競争と協調の展望
- 日本がAI分野で世界をリードするための課題と戦略
(7) レポートは、以下の構成で作成してください。
- 序論:AI業界の現状と本レポートの目的
- 本論:上記の調査結果に基づくAI業界の未来予測
- 結論:AI業界の未来展望と、社会への提言
- 参考資料:調査に使用した資料の一覧
(8) レポートは、客観的なデータと分析に基づき、論理的に記述してください。
- 図表やグラフなどを効果的に活用し、視覚的に分かりやすく表現してください。
- 専門用語は必要に応じて解説を加え、読者にとって理解しやすいレポートを作成してください。
出力されたレポート
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ディープリサーチがもたらすリサーチ革命
本記事では、「ディープリサーチ」を活用して、AI業界の現状と未来予測を分析しました。
従来のリサーチ手法では、専門家が膨大な時間をかけて収集・整理していた情報を、AIが自動で統合し、構造化して提供できるようになっています。
特に、今回生成されたレポートは、まるでコンサルティングファームが作成するような詳細な業界分析レポートのようなクオリティでした。
各種データの根拠も明示されており、従来ならば複数のサイトを横断して手作業で情報を整理する必要があった調査が、一気にまとめられることに驚かされます。
このようなAIの進化は、今後のビジネスや研究のあり方を大きく変える可能性があります。
「ディープリサーチ」が普及すれば、リサーチ業務の効率化、意思決定のスピード向上、専門家の分析補助など、多くの分野での活用が期待されるでしょう。
AIが単なる補助ツールを超え、「リサーチパートナー」としての役割を担う時代がすぐそこまで来ていることを実感しました。
これからの情報収集・分析のスタイルを大きく変える「ディープリサーチ」、ぜひ皆さんも活用してみてはいかがでしょうか?
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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