中平コラムSeries32:「新卒一括採用廃止」と採用の変化がもたらす影響って話
「企業は利益追求の場か、成長の場か?」国内企業の新卒一括採用廃止を受け、日本の採用文化の変化について考える。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
先日、国内の大手企業が「新卒一括採用を廃止する」と発表しました。
このニュースは、「日本の採用文化の大きな転換点」を象徴していると感じます。
このニュースについて、中国出身のエンジニアであるSさんと話す機会がありました。
Sさんは、日本の新卒一括採用は、年功序列や終身雇用が前提の仕組みであり、2000年代に入るまでは「転職」という概念が一般的ではなかった。しかし、時代の変化に伴い、大企業が「実力主義の採用制度」を選択し始め、これに続いて多くの企業が同様の方向性に進むのではないかと考えているようです。
また、働く従業員の視点から見ると、新たな採用制度の導入は「自分の頑張りが正当に評価される基盤」となり、より高い意欲で仕事に取り組むことができるようになると、日本の変化について期待を寄せていました。
「新卒一括採用」の中で得られた成長
一方で、私はこの変化を冷静に受け止めつつも、「新卒一括採用だからこそ得られた成長」についても考えさせられました。
私は中途採用でIT業界に入り、未経験からエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
入社した当初、自分と同い年のエンジニアたちはすでに業界での経験を積んでおり、私は彼らに追いつくためにそれこそ必死に時間をかけて勉強をしました。
その過程でスキルを磨くことができ、成長した実感があります。
また、新卒採用には「同じ世代のライバルがいる」という特長があり、それが成長の大きな要因となることもあります。
競い合い、切磋琢磨しながら学ぶ環境があるからこそ、人は大きく成長できるのです。
企業の役割とは? 〜利益を追求する場か、成長の場か〜
このように考えると、「新卒一括採用をなくす」という決定は、単なる採用制度の変更ではなく、
企業の在り方そのものを問い直す出来事だと感じます。
企業は、単に利益を追求する場ではなく、「人が成長し、価値を生み出す場」であるべきではないか。
そう考えると、一括採用を廃止し個別採用へ移行することが、本当に人材の成長にとって最善なのか、疑問が残ります。
これからの採用の在り方
実力主義の採用が進み、努力や成果がよりダイレクトに評価される仕組みになることは、多くの人にとって望ましいことかもしれません。
しかし、新卒一括採用のような「共に学び、競い合う環境」が失われたとき、新たな育成の仕組みをどう整えていくのかも重要な課題になります。
日本の採用文化が変わっていく中で、企業が「成長の場」としての役割をどう果たしていくのか。
もしその役割が失われてしまったら、少し寂しい気もします。
「人に何かを教えているときは教えている人も成長する」
そういったコミュニティ事態に価値があると思えるんです。
社会は変わっていきますが、これからも「企業の成長」と「個人の成長」の両立を目指し、やりたいことができるような働く環境について考え続けていきたいと思います。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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