【シリーズ第3話】中平コラム41:メタファーという武器 ─ 領域展開とマーケティングって話

技術や抽象的な考えを伝えるために必要なのは“比喩”。メタファーの伝達力を実務家目線で解説。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

    【全8話シリーズ】

    『境界に立つ実務家の進化論』 ― AI時代を生きる中で僕が見つけたこと ―

     

    本記事(第3話)は「メタファーという武器」という話です。

     

    ↓シリーズ前回記事はこちらから↓

    【シリーズ第2話】中平コラム40:「AIと一緒に考える」というスキルの話

     

     

    突然ですが、「五条悟の領域展開って、実はマーケティング戦略の説明に使えるんですよ」って言ったら、あなたはどう思いますか?

     

    今回は、「メタファー(比喩)という “伝える力の裏技” についてお話しします。

    これは僕が、技術・営業・育成の現場でフル活用している、最強の思考ツールのひとつです。

     

     

    難しいことは“見えない”ことが多い

    僕らが扱っているのは、たいてい「抽象的なもの」です。


    AIのロジック、業務効率化の流れ、技術選定の背景、マネジメントの意図...。ソフトウェアはパソコンの中にあるだけ...。

     

    「抽象的なことは見えない」


    見えないから、伝わらないし、誤解されるし、納得されない。

     

    「お客さんが納得してくれない」
    「部下が腹落ちしてない」
    「技術の良さが理解されない」

     

    そんなとき、僕が頼りにしているのが “メタファー” です。

     

     

    「領域展開」で説明するマーケティング施策?

    ある日の提案会議で、僕はこんな風に話しました。

     

    「これは“領域展開”に近いですね。限定された空間に価値を詰め込んで、相手にその世界を強制的に体験させる。」

     

    最初は笑われました。(笑)


    でもその後、相手の表情が変わったんです。

     

    「ああ、なるほど…なるほどね!」って。

    「これはこの領域(特設ページ)に集めて、世界観を一気に伝えることで“納得と共感”を起こす、ってことか!」

     

    まさに、メタファーを使ったことで「僕のイメージが相手に伝わった瞬間」でした。

     

     

    会長の言葉「小学生でもわかる言葉で説明しなさい」

    そういえば、エスワイシステムの会長が昔からよくおっしゃっていることがありました。

     

    「小学生でもわかる言葉で説明しなさい。」

     

    当時は「そこまで噛み砕くのか…」と思っていましたが、今になって、その言葉の本質がじわじわ効いてきています。

     

    「伝える」というのは「知識を示すこと」じゃなくて、「相手の脳内に、イメージを届けること」なんですよね。

     

    難しい言葉を使うのは簡単です。

    でも、“わかりやすく伝える努力” をするのは、ものすごく難しい。

     

    そして、それができる人が本当に信頼される。

     

     

    メタファーは、イメージを“同期”させる

    メタファーの強みは、「相手と自分のイメージを共有できることです。

     

    専門用語やロジックをそのまま説明しても、理解できる人は限られます。

    でも、アニメ・漫画・日常の体験を使って比喩にすると、共感が爆速で起こる。

     

    • 「このマネジメント、ナナミン型ですね」

    • 「このシステム構成は“ジョジョのスタンド”みたいな関係です」

    • 「このフェーズは“カメハメ波を溜めてる状態”です」

     

    これ、ふざけてるようでめちゃくちゃ真面目な技術です。

     

     

    技術×メタファー=伝える力の拡張

    僕が思うに、技術者に一番必要なのは「人に伝える力」です。

     

    どれだけ素晴らしいシステムでも、伝わらなければ存在しないのと同じ

    だから僕は、提案の場でも育成の場でも メタファー を意識して使います。

     

    たとえばMDM(Master Data Management)の話をするときには、

     

    「家系図みたいなものなんですよ。親子関係を整理していく感じです。」

     

    と言えば、非エンジニアでもすぐにイメージできます。

     

    エンジニアにも「僕らの仕事は整理整頓、情報のお掃除」とよく言っています。

     

     

    まとめ:言葉に魂を宿すには、“刺さる比喩”がいる

    「メタファー」は、ただの小ネタじゃありません。


    「伝えたいもの」を「届ける形」に変えるための武器 なんです。

    そしてそれは、五条悟の“領域展開”のように、相手の脳内に、自分の世界観を再現させる行為 でもあるんです。

     

    あなたもぜひ、語彙力ではなく “喩え力” を磨いてみてください。

     

    言葉が生き始めますよ。

     


     

    ↓シリーズ次回記事はこちらから↓

    【シリーズ第4話】中平コラム42:現場で信頼される技術者の条件とは?って話

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

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