
本事例のポイント
現代のモビリティ業界においてはCASEと呼ばれる以下の領域で次世代技術の革新が進んでいます。
・V2XやIVIなどに代表されるコネクティッドサービス
・自動運転、ADAS(Advanced Driver Assistant Systems)
・パワートレインの電動化
特に、2つ目の自動運転やADAS領域においては自動運転レベル3の実現をはじめ、AIなどを用いた次世代技術の革新が目覚ましく、その開発サイクル、機能の進化が加速しています。
本投稿はそんなADASの制御ユニット、ADAS ECUの開発事例についての記事になります。
課題 |
・自動運転、ADAS領域の開発競争加速により、開発・検証サイクルの見直しが必要に |
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課題解決の効果 |
・アジャイル開発(スクラム)を取り入れ、よりスピーディーな開発を実現 |
・フルスタックエンジニア中心体制を構築、高品質な製品提供と精度の高い検証、フィードバックを実現 |
背景・課題
自動運転 ADAS領域の開発競争の加速
近年、革新が進む自動運転やADAS領域では自動運転レベル3の実用化、レベル4の実証検証に向けて世界中で開発競争が加速しています。
そんな中、弊社がサポートしている自動車メーカー様におかれましても、開発スピードと検証のサイクルを加速させることが課題と
なっています。従来のウォーターフォール形式の開発では、検証開始までの期間が長く、また検証後のBugFixのための手戻りもコストが重くなる要因でした。
解決策と効果
アジャイル開発(スクラム)による開発スピード向上と検証専門チームによる品質の向上
弊社のご支援している開発チームにおいてはアジャイルの手法を取り入れ、短期間で設計→実装→検証のイテレーションを回すことで、よりスピーディに顧客要求に応え、開発期間、コストの短縮に貢献しています。
自動運転、ADASの検証においては実際の道路状況、走行シチュエーションを数多く網羅することが重要です。
実際の車両による走行テストでは十分なデータを揃えることが難しく、シミュレータによる仮想領域での検証が必要不可欠となっています。
弊社におきましても検証専門のチームにより、HILS(Hardware In the Loop Simulation)による、実車走行模擬検証や、6軸モーションを備えたドライビングシミュレータを用いたDILS(Driver In the Loop Simuration)により、仮想空間での走行シチュエーションの模擬環境を構築、検証を実現しています。
フルスタックエンジニア主導による高品質な製品提供と精度の高い検証フィードバック
弊社のモビリティエンジニアの中でも要求分析から設計、製造、検証までフルスタックで対応できるエンジニアを中心に体制を構築。
顧客からの要求を早期に理解し、アジャイル開発に乗せることで短期間で機能の実現と高品質の達成ができています。
また、HILSを用いた機能の妥当性・正確性検証(V&V検証)、DILSを用いたユーザビリィ、ドライバーフィーリングの検証を実施し、開発者やステークホルダーへの適切なフィードバックを実施することで、より品質を高めることに貢献しています。
今後の展望
「次世代モビリティ社会」の実現へ向けて
関東エリアにおいては2015年からモビリティ分野への参画を行い、長年培った車載開発のノウハウを生かした開発のご支援を行っています。
特に、自動運転の開発ドメインにおいては、車両への要求として各種異なる領域のECUへの指示を行う必要があり、パワートレインやSBWの知識、機能安全やフェイルセーフの他、車体の運動特性など、多岐に渡るドメイン知識を有する技術者が求められます。
これからも弊社のモビリティエンジニアはこれら複数のドメイン技術と知識を生かして次世代モビリティ社会の実現に貢献していきます。