
本事例のポイント
当情報通信業様では安否確認システムのサービスを提供されております。
当時、安否確認システムの利用申し込みがあった際に手動でのテナント作成を実施しており、業務に時間がかかりすぎることが運用面において課題となっていました。
そこで、テナント作成業務を自動配備(プロビジョニング)するシステムを構築し、契約も含めて5営業日程度かかっていた運用者の業務を最短1時間程度まで短縮し、業務の効率化を実現した事例となります。
導入前の課題 |
・サービス利用申し込み時のテナント作成業務に5営業日程度かかってしまい、非効率である。 |
・現状の業務スピードでは、お客様からの問い合わせに対してテナント準備が追い付かない。 |
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課題解決の効果 |
・テナント作成業務にかかる時間を5営業日から最短1時間程度まで短縮。 |
・運用者の手間はほぼ0でテナント作成できるため、業務効率化が実現。 |
背景・課題
安否確認システムサービスを提供する顧客だが、運用の効率化が課題に
当顧客では地震・津波等の災害発生時に自動で安否確認をするサービスを提供されており、これまでに5,200以上の企業が当サービスを導入しています。当時はこのサービスの利用申し込みがあった際、手動でのテナント作成を実施しておりました。
そんな中、非常に安価な中小企業向けのプランである安否確認の新サービスの新開発もあり、問い合わせの多さに対してテナント準備がそれまでの業務スピードでは対応しきれないのではないか、という懸念がありました。
解決策と効果
当社SE3名を含む4名体制でテナント作成処理を自動配備するシステムを開発
当社SEがPLとして、お客様と共に各チーム(営業、サポートデスク、システム運用)を横断してヒアリングを行い、業務フロー整備と共に、テナント作成自動化のシステム構成検討を実施しました。検討完了後、当社SE2名を追加して、顧客PMを含む4名体制で約6カ月間で開発を実施しました。
具体的には、営業側でお客様からの依頼管理に利用しているSalesforceより依頼データを受領するシステムをPythonにて構築。
また、Jenkins・ansible を利用し、各サーバにテナント作成処理を自動配備(プロビジョニング)するシステムとしました。
本システムを利用することで、今まで契約も含めて5営業日程度掛かっていたテナント作成業務を最短1時間程度で完了することができるようになりました。これにより、テナント作成業務を運用者の手間がほぼ0でおこなえるため、導入により空いた時間を別の業務に費やすことができ、大幅な業務効率化を実現できました。
今後の展望
安否確認システム以外の別システムに対してもプロビジョニング開発の推進を実施、更なる業務効率化を目指す
安価な中小企業向けの安否確認サービスプランの販売当初に懸念していた「申し込み増による機会損失」はこのプロビジョニングの開発で無事回避することができました。また、上記成果が認められて当プロジェクトはお客様内部の年間開発表彰も受賞することができました。
現在は安否確認サービス以外の別システムに対してもプロビジョニング開発の推進を実施しております。
一つでも多くの業務を効率化し、お客様がより注力した業務に時間を費やすことができるよう、引き続き尽力して参ります。