中平コラムSeries114:止めずに変えるって、むずかしいって話
地味だけど最強な “公共系システム” の世界。災害時にこそ真価を発揮する「止めちゃいけないやつら」と、それを守る技術者たちへのリスペクトを語ります。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
先日、とある公共系のプロジェクトに関わる方と話していたんですが、そこで出てきた一言が印象的でした。
「このシステム止まったら、全国がパニックですからね」
……うわぁ、そうか。止めちゃいけないやつだ。
って、思ったんですよね。
災害時に発動する「止めちゃいけないやつら」
たとえばこんなシステムたち。
- ダムの水門を自動で開閉する制御システム
- 津波ゲートを地震後に閉める緊急対応システム
- 大雪や事故の際に道路を即座に通行止めにする判断システム
- 避難所の開設状況や混雑度をリアルタイム配信する避難支援システム
- 電気や水道の復旧優先順位をデータから判断する復旧支援システ
- 罹災証明・被災支援金の申請や身元確認を行う行政の基幹システム
これらって、普段は静かに動いているけど、災害のときには一気に “主役” になるやつらなんです。
でも、すごいのは「それでも止まらないことが前提」ってところ。
“いつか使う” じゃない、“いつでも使える” が求められてる。
「止めずに変える」という究極のムリゲー
しかも、これらのシステム、古いままではいられない。
法改正もあるし、セキュリティも上げないといけないし、最近はクラウドシフトの波も来ている。
つまり、「止められないけど、変えないといけない」
……これ、マジで矛盾してる。
ある意味、橋を通行させながら、橋脚を架け替えるような仕事。
トラフィックが止まらない状態での刷新。
これはもう、技術というより “覚悟の話” だと思いました。
新しいものを作るだけが技術じゃない
僕らはどうしても「新しく作る」「早く作る」「派手に成果を出す」みたいなプロジェクトに注目しがちです。
でもね、「守りながら変える」って技術の方が、実は難しい。
しかも、誰にも気づかれずに、ちゃんと動き続ける。
失敗が許されない現場で、冷静に、慎重に、確実に進めていく。
僕、そこにめちゃくちゃ感動しました。
まとめ:止まらないって、すごい
いま、「AIが」「DXが」「ノーコードが」なんて世界の中で、
“止めない” というミッションに向き合ってる現場がある。
その姿勢は、地味だけど本物だと思います。
僕もいつか、自分が関わったシステムが
「いざというとき、誰かの命を支えるものになった」
と胸を張って言えるように、今日も地道にがんばります。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WANT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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