中平コラムSeries18:インターン生の成果発表会で“領域展開”してしまった話
本当は労いの言葉をかけるつもりだった。しかし、技術者としての“こだわり”が止まらず、細かすぎる指摘を連発。エンジニアリングにおける細部の重要性とは?

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
今日はインターン生の成果発表会に急遽参加することになった。もともと他の人が行く予定だったが、急な仕事で行けなくなったため、代打での出場だ。
しかも総括の担当だ、総括ってなんて偉そうなんだ。謙虚に謙虚に。
今回のインターンには女子大から4人の学生が参加しており、彼女たちが取り組んだのは「カフェの予約システムのカスタマイズ」という課題。
これは弊社が作成したもので、「既存の予約システムに入力チェックを追加する」「新機能を実装する」という内容だ。
短期間のインターンとしては、ちょうどよい難易度の課題だったと思う。
成果発表会、静かなる開幕
発表会には何名かの社員が来ていて、発表が終わると「頑張ったね!」的な感想を述べるのが一般的である。
こういった場では、
「エンジニアとしての最初の一歩を踏み出しましたね!」
「システム開発の面白さを少しでも感じてもらえたら嬉しいです!」
といった、温かく労をねぎらうコメントが主流だ。
もちろん、私もそのつもりだった。
「短期間でよく頑張りましたね!」
「エンジニアリングの楽しさを感じてくれたなら嬉しいです!」
そんなことを言って、彼女たちの努力を讃えるつもりだった。
、、、、しかし気づいたら、私は領域展開していた。
「無下限細かい指摘」発動
私はインターン生の努力を讃えるよりも先に、細かすぎる指摘を大量に繰り出した。
まるで宿儺が虎杖の体の中で小言を言うように、やたらと広い会議室の中で次々と気になる点を指摘していく。
📌 私の指摘一覧
🔹 追加したメニューに不要な半角スペースが含まれている
🔹 日付フォーマットのメッセージが統一されていない(YYYY/MM/DDとYYYY/MM/ddが混在)
🔹 カッコの種類が統一されていない(半角カッコ()と全角カッコ()が混在)
🔹 発表スライドの右下の日付がなぜかdd/MM/YYYY
うん、普通に細かい。言わなくてもいいぐらい細かい。たぶん帳に覆われてたと思う、多分だけど。
とは言え、エンジニアリングはルールと法則の積み重ねだ。
技術は細部に宿る。
そして、細部に気遣いができない人間を私は信用しない。
本当は、ただねぎらいの言葉をかけ、勇気を与えるつもりだった。
しかし、どうしてもこのルールの矛盾が許せなくなってしまったのだ。
最後のほうは「美しくない仕事が許せない」とか言ってた。
なんてハートフル。オロローンって効果音が聞こえてきそうだ。
こうやって人は、自ら呪術に縛られ力を得る代わりに忌み嫌われていくのかもしれない。
「作り手の魂」は細部に宿る
とはいえ、私が伝えたかったのは単なる“重箱の隅つつき”ではない。
エンジニアリングとは、ルールの積み重ねであり、その足元がしっかりしていなければ、全体にも不安が生じる。
足元の価値がわかっているからこそ、視界を上げて世界を視ることができるのだ。
プログラムは、書いた瞬間から自分の手を離れ、他の誰かが使うものになる。
そのとき、作り手の魂は細部に宿り、わずかな違和感やバラつきが、使いやすさや信頼性に大きな影響を与える。
「この程度の違い、気づく人なんていないだろう」
と思うかもしれない。
しかし、こうした積み重ねが、今の豊かな世界を作っているのではないだろうか。
だからこそ、私は細かい部分にも厳しくチェックする。まるで呪いである。自分で制御できていない。
「就職してくれたらいいのになぁ」と思う話
短期間のインターンだったが、呪術(技術)の世界に足を踏み入れるきっかけになってくれればいいと思う。
できれば、このブログを校閲・投稿してくれているインターン生の I君 のように、長期インターンに来てくれたり、何なら就職してくれたりすると嬉しい。
やはり、技術は「使いやすいものとは何か?」を考える力が重要だ。
その点で言えば、今回の発表は良い経験になったのではないだろうか。
技術者としての心得〜「細部にこそ、呪いは宿る」〜
呪術廻戦の世界では、呪力の流れや術式の精密なコントロールが、戦いの勝敗を分ける。
エンジニアリングも同じで、「ちょっとした違い」が後の大きなトラブルを生むことがある。
だからこそ、フォーマットの統一、記述ルールの徹底、細部のミスを見逃さない姿勢が重要なのだ。
これを意識するだけで、「この人の作ったシステムなら安心だ」と思われるエンジニアになれる。
インターン生たちには、ぜひ「技術は細部に宿る」ということを学んで、次のステップに進んでほしいと思う。
長期インターン生募集中!
エスワイシステムでは現在、長期インターン生を募集しています!
詳細については以下からチェックしてみてください!
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
📩 お問い合わせ・お仕事のご相談はこちらから↓
人気の記事