中平コラムSeries59:「“あいつに任せときゃ大丈夫”がチームを壊す理由」って話

「全部あの人に頼めば大丈夫」が、いつしかチームを壊す。信頼と依存の境界線を見つめ直す話。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     


    今日は、「仕事が集まりすぎる人」という現象について書きたいと思います。


    なぜこのテーマを取り上げようと思ったのか。
    それには、うちのチームにいる “ある人物” の姿がきっかけでした。

     

     

    Yさんという“先生”

    うちのチームには、Yさんという超優秀なメンバーがいます。
    あだ名は “先生” 。


    生産性が高く、あるプロジェクトを立ち上げ当初からやってきた知見もある。
    チームの技術的な中核を担ってくれている存在です。

    ただ彼は、人に何かを教えるときにこう言います。

    「全部Notionに書いてありますし、動画もあるのでそれを見てください」

    最初は「合理的だな」と思っていました。
    でも、そこには “背景” があった。

     

     

    教えて、奪われて、黙るようになった

    実は、Yさんはもともと、とても熱心に人を育てるタイプでした。
    新しく入ってきた若手を丁寧に育て、確かな成長も見えてきていた。

    ──でも、その若手は社内の都合で別のプロジェクトに異動。
    せっかく手をかけて育てたのに、手放すことになった。

    それ以来、彼は自ら教えることをやめました。

     

     

    結果、彼は“超人”に。チームは“止まった”

    Yさんの生産性は今でも高いです。
    だから仕事はどんどん集まる。
    「困ったらYさんに聞こう」という空気が定着していった。

    でも──
    チーム全体の成長は、止まりました。

     

     

    “信頼”と“依存”の違い

    信頼って「任せて育てる」こと。
    でも、依存って「あの人ならやってくれるでしょ」と思考停止してる状態です。

    Yさんは便利な “個人窓口” になっていた。
    それは彼の責任ではなく、構造の問題。
    そして僕自身も、その構造を放置していた一人でした。

    信頼を、依存にしない。

     

    その違いを、チームの中で意識し続けることから、もう一度始めようと思います。

     

    終わりに

    もしかしたら、あなたのチームにも Yさんのような存在 がいるかもしれません。
    そして、その人が知らないうちに “孤独なスーパーマン” になっているかもしれません。

    もし今、チームの成長が止まっていると感じていたら、「仕事が集まりすぎている人」がいないか、そっと見渡してみてください。

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

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