中平コラムSeries88:“DX”って言うけど、何が変わると思ってますか?って話
「紙をPDFにしたらDX?」──いや、それただのスキャンです。“なんとなくDX”が蔓延する今こそ、本当に変えるべきは何なのか?

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
最近、また増えてきましたね、この言葉。
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」
なんかこう、言ってるだけで未来感ある響きですよね。
でもね、僕、思うんですよ。
「で、何が変わったんでしたっけ?」って。
「DXやってます」って言うけど…どこが変わったの?
先日、とある企業の担当者さんと打ち合わせをしていたら、こう言われました。
「うちも今、DXに取り組んでまして」
「おお、すごいですね!」と返したら、
出てきたのは、PDFで管理するようになった稟議書。
……うん、それただのスキャナーじゃん。
デジタルにはなってるけど、変わってない。
DX ≠ デジタル化
これ、本当に多いです。
「紙やExcelをクラウドにした」
「Zoom導入した」
「業務マニュアルをNotionにした」
これ全部、 “手段” です。
DXの “風” は吹いてるけど、体温は変わってない。
DXって、“D” じゃなくて “X” の部分が大事なんですよ。
「Transform=変革」って部分。
つまり、仕事の中身・考え方・文化を変えること。
じゃあ何が変われば“DX”なのか?
僕が思うDXの本質、それは──
・ 意思決定が早くなる
→「とりあえず会議しましょうか」から、「まず試してみましょう」に変わる。
・ 役割が変わる
→「言われたことをやる人」から、「提案する人」に変わる。
・ 評価軸が変わる
→「頑張ってる風」より、「試して改善して成果出したか」に変わる。
・ プロセスが変わる
→ “上長のハンコが5個” じゃなくて、“共通プラットフォームで全員リアルタイムに見る” に変わる。
要は──
会社が “ちょっと未来っぽく” なることではなく、“ちゃんと速くてしなやか” になるってこと。
DXは、マクロより先に“空気”を変えること
DXって、ツールの導入じゃなくて、風土の刷新 だと思うんです。
- それって今も本当に必要?
- もっとシンプルにできない?
- わざわざ人がやる必要ある?
こういう問いを、チームで当たり前に投げ合える文化。
そうやって、日々の「当たり前」に小さな “NO” を突きつけ続ける。
その積み重ねが、変革になるんじゃないかなって。
DXごっこにならないために、今日からできること
じゃあどうすれば “DXっぽいごっこ” じゃなくて、ちゃんと “変化の中心” に立てるのか?
おすすめは、これです。
・ 「なぜ今それをやってるんだっけ?」を自問する
→ 手段が目的化していないか、立ち止まって考える。
・ 会議やメールを1つやめてみる
→ 無駄な確認・無駄な報告、意外と多い。
・ 「どうすればこうなるか?」を日常にする
→ 提案する文化を持った人が、DXの原動力。
・ 「それ、うちの “Want to” ですか?」って確認する
→ やらされ感じゃなくて、本気の想いがあるか。
終わりに:「DX」って、案外“勇気”の話かもしれない
ツールを入れるのは簡単。
でも、それを「本当に使いこなすチームにする」には、ちょっとした勇気とリーダーシップが必要です。
上の言うことをそのまま通すんじゃなくて、既存のやり方を “疑う” という選択肢を持つ
DXって、要はそういう「ちょっと面倒だけど、でも未来のためにやろう」っていう気持ちの積み重ねなんですよね。
僕自身、まだまだ模索中ですが「DXっぽいことをやってる人」じゃなくて、
「DXで何かを変えた人」になっていきたいなと思っています。
ではまた!
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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