中平コラムSeries96:支える人を疲弊させない仕組みづくりって話
“いい活動”が潰れるとき、必ずそこには“事務の地獄”がある─でも、ほんのちょっとした仕組みの工夫で回避できる。リアルな現場の声とITの力を絡めて語ります。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
最近ふと、あるリーダーの方が言っていたことを思い出しました。
「なんかね、“やめたい” というより “もう間に合わないんです” って言われることが増えたんです。」
その方が運営に関わっているのは、地域のボランティア。
参加する人たちはみんな良い人で、雰囲気もすごくあたたかい。
だけど、だんだんスタッフが減ってきて、回らなくなってきている。
“活動” は好きでも、“その周辺” がしんどい
「活動自体は楽しいんですよ。でも、案内出して、出欠確認して、施設の予約して…。
それだけで時間が終わっちゃって、“本来の目的” に全然たどりつけないんです。」
そんな声を、これまで何人から聞いたかわかりません。
・参加者リストを手書きで集めてる
・施設予約の変更を口頭で伝えてる
・「誰に伝えた?」「見てないよ?」のやりとりでヘトヘト
実際、やってること自体は難しい話じゃない。
でも、それが “数” と “頻度” の影響によって、人の余裕と気力をごっそり持っていくんですよね。
「大きな改革」じゃなくていい。小さな仕組みで、だいぶ変わる
ここで大事なのは、「なんでもIT化!」って叫ぶことじゃないんです。
まずは、小さな “仕組みづくり” から。
たとえば──
・出欠の集計:GoogleフォームでOK
・案内の送信:LINEで一斉送信するだけ
・名簿の更新:スプレッドシートに入れておけば最新版が見える
・施設予約の見える化:共有カレンダーで共有するだけ
もうこれだけで、「〇〇さんに電話して」「誰か知ってる?」の無限ループから脱出できます。
「え、それだけで…?」と思うかもしれません。
はい、それだけで変わるんです。
“手間を減らす”って、人を救うことでもある
がんばってる人は、「自分がやればいい」って思っちゃう。
でも、それが一番こわい。
「私が抜けたら困るでしょ?」って言いながら、ある日ふっと姿を消す。
ほんの少し、“ラクにできる仕組み” があれば、
その人はもうちょっと、続けられたかもしれないんです。
だから、僕らIT屋の出番です
僕たちの仕事って、“派手な新技術” を使うことじゃなくて、
「誰かの “やさしさ” を持続可能にすること」だと思うんです。
小さな仕組みで、誰かの余裕が一日15分だけ生まれたとしたら──
その15分で、きっと「もう一回頑張ってみようかな」って思える。
無理を前提に回る組織じゃなくて、「ちょっとなら手伝えるよ」と言える仕組みへ。
僕は、そんな仕掛けをこれからも考え続けたいと思っています。
ではまた。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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