中平コラムSeries98:Salesforce、思ってたのと違う問題って話

設定すれば何でもできるはずなのに、なぜ “何もできないまま終わる” のか。現場で見たリアルな悲鳴と、それでもうまく使いこなすための視点を語ります。

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  • こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。

     

     

    「もうムリです。何がどこにあるのか、全然わかりません」

     

    Salesforceの画面を開いた新人くんが、静かにそうつぶやいた。

     

    …うん、気持ちはわかる。

    ボタンは多いし、タブも多いし、ヘルプの説明はだいたい助けてくれない。

     

    最初に見たとき、「これはたぶん、宇宙船の操作パネルだな」と思った。

     

    “CRM” じゃなくて、“UFO”だったんですよ、あれ。

     

     

    そもそもSalesforceって何?

    「え、Salesforceって営業の人が使うExcelでしょ?」

    「クラウドのなんかすごいやつでしょ?」

    「いや、名前からして“売り込む力”みたいな自己啓発系?」

     

    いろんなイメージがありますが、ざっくり言うと、

     

    企業の営業・マーケ・カスタマーサポートをまとめて管理できる、超高性能な “業務アプリ工場” です。

     

    アプリ工場、というのは言い過ぎじゃなくて、

     

    • 顧客管理
    • 見積・契約管理
    • 問い合わせ対応
    • 承認フロー
    • データ可視化

     

    ……これ全部、“設定だけ” で 作れてしまうのがSalesforceのすごいところ。

     

    でも、逆に言うと 「設定しないと何もできない」 のもまたSalesforce。

     

    そしてこの設定が、初心者から見ると「宇宙語」なんです。

     

     

    なんでもできる、は罠

    Salesforceのすごさは、「ノーコードでいろんなことができる」ところ。

    でも、それが逆に落とし穴。

     

    「やりたいことを決めないまま触ると、何もできないまま終わる」

     

    ──これは僕が最初にハマった罠でした。

     

    「すごい機能がある」=「使いこなせる」ではない。

     

    むしろ、“機能が多すぎて、思考がフリーズする” という状態に陥りやすいんです。

     

     

    “使えるようにする” より “使う人を決める” が先

    みんな、「どう設定すれば使えるか」で悩んでるけど、

    実はその前に「誰が何のために使うのか」を決める方が大事。

     

    たとえば、「営業が日報を入れるためにSalesforceを使う」なら、

     

    • 入力項目は2個に絞る
    • 画面はスマホ前提にする
    • 入力完了でSlack通知を飛ばす

     

    くらいまで、徹底的に寄せてあげる必要がある。

     

    Salesforceって、まじめに付き合おうとすると “その人の性格” まで知りたがるくらい、深いツールなんです。

     

     

    結論:「使う準備」は技術より心理

    Salesforceが難しいのは、技術のせいじゃない。

     

    「とりあえず触ってみるか」って軽く始めると、ぜったいに爆発する。

     

    最初にやるべきは、“使う人のストーリー” を考えること。

     

    • 誰が
    • どんな状況で
    • どんな課題を感じていて
    • 何ができたら「助かった」って思うのか

     

    これを描けたとき、Salesforceは最高に頼れる仲間になる。

    描けなかったときは、最高に分かりにくいモンスターになる。

     

     

    まとめ

    Salesforceは、使える人が使えば、めちゃくちゃ便利。

    でも、目的が決まってないと、マジで迷子になる。

     

    “宇宙船” に乗る前に、“どこに行きたいか” を決めよう。

     

    あとは、ちゃんと操縦士を選ぶこと。

     

    誰かひとりが「俺が責任持つ」って言える状態が、運用のスタートラインです。

     

     

     

     

     

    著者情報


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    中平 裕貴(Yuki Nakahira)

    株式会社エスワイシステム 関東事業本部

    関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理

     

    『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』

     

    エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。

    エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。

    技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。

     

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