
こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
今回は、 “やる気” と “育成” の話です。
最近、若手の育成に悩む管理者からこんな相談を受けることが増えてきました。
「○○さんのやる気が見えなくて…」
でも、僕は思うんです。
それって本当に「やる気がない」のでしょうか?
それとも、やる気を “起動” する設計が、うまくできていないだけなんじゃないか──と。
そんな話を僕の隣の席のMさんにしてみたら、
「それ、心理学では “スモールステップ” の原理が効きますよ」と教えてくれました。
これが、今の僕自身の行動にもかなり影響を与えています。
スモールステップとは何か?
スモールステップとは、心理学や教育学で使われている “行動変容の基本原則” のひとつです。
一言でいえば、
「達成可能な小さな行動を設定して、少しずつ成功体験を積み重ねていく方法」
人は大きな目標を見ると、「無理そう」「大変そう」と感じて動けなくなる。
でも、「これならやれそう」な一歩なら、意外と動けたりする。
そして、その一歩を達成したとき、脳は報酬を感じ、次の行動へのエネルギーを生み出します。
つまり、 “やる気” は「行動→成功→快感→継続」という循環の中で生まれるものなんです。
中平流スモールステップ実践記
僕自身も、部下育成の中でこの「スモールステップ設計」を意識しています。
たとえば──
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「このページの仕様だけ読んでみよう」
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「まずは10行だけコードを追ってみよう」
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「1枚のスライドだけ作ってみよう」
それだけでも十分です。むしろ「まずそこからでOK」と伝えると、若手の目の色が変わることがあります。
「やる気を出せ」と言うのではなく、「1歩目のハードルを下げる」ことで、結果的に加速する。
“育てる” って、そういう設計力が大事なんだと思っています。
結果主義ではなく、進捗主義の育て方
もうひとつ意識しているのが、“進捗” を褒める文化です。
「ちゃんとやったか?」よりも、「昨日より前に進んだか?」を見たい。
若手にとって、「完璧にできた」は遠い未来かもしれません。
でも、「昨日よりうまくできた」は、今この瞬間に起こせる成長です。
その小さな変化に、ちゃんと気づいて言葉をかける。
それだけで「やってみようかな」という気持ちは持続するんですよね。
僕も今、“ストレスしかない学習”に直面している
実は最近、僕自身も「スモールステップじゃなきゃ無理」な挑戦をしています。
それが、英語の勉強です。
海外製のパッケージを触り、マニュアルを読み、
提案書を英語で書いて、海外のお客様とミーティングする機会も増えてきました。
社内にも英語が堪能な社員がいて、普通に英語で会話している。
そんな光景を前に、「これはもう、避けては通れない」と思ったわけです。
……が、正直、しんどいです。
勉強を始めようとすると、妙に気が重くなる。
参考書を開くだけで、心がスッと閉じてしまう。
完全に“心の帳” が展開されてます...(笑)
だから僕も、今こうしてます。
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5分だけ英語の動画を見る
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単語を1つだけ覚える
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アプリを開いて1問だけ解く
それでもいい。それが “0” を避ける 方法。
それだけでも「お、今日はちゃんとやれたな」と、自分を少し認められる。
スモールステップは、今の僕にとっての救いの術式なんです。
僕もまた、スモールステップで育ってきた
振り返ってみると、僕のキャリアも全部スモールステップの連続でした。
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社内で初めてプレゼンしたとき
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1ページだけブログを書いたとき
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営業で1枚だけ提案書を作ったとき
どれも「完璧」を目指したら動けなかったと思います。
でも、「まず1個やってみよう」「まず投稿してみよう」、
そんなふうに少しずつ進んでいったら、今ここに立っていました。
“爆発力”があるタイプじゃないからこそ、反復と積み重ねで勝負してきた。
それが、今の僕のベースです。
まとめ:術式は小さく、でも呪力は確かにたまる
スモールステップは、“やる気を待つ”のではなく、“やる気を起動する” 設計 です。
チームの中に、「一歩進めたね」「昨日よりやれたね」
そんな会話が増えれば、組織の前進力も変わってくるはずです。
やる気が出ないときこそ、「じゃあ、まず1分だけやってみよう」
その“1分”が、“未来”につながっていく。
術式は小さく。でも呪力は、確かにたまっていく。
そんな育成の魔法を、これからも信じていたいと思います。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
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