中平コラムSeries80:整理されていない頭では、誰も救えないって話
業界経験の浅い中でプロマネを任され、モヤモヤのまま突っ走った若き日の失敗。あの地獄の中で気づけなかった「整理整頓」の本当の意味を今、語ります。

こんにちは、エスワイシステム関東の中平です。
今回は、僕がまだ業界経験の浅かった頃に味わった、
“プロジェクトマネジメント地獄” の話をします。
そしてその中で、なぜ「整理整頓」がすべての土台になるのかに気づいた──
いや、正確に言うと後になってようやく気づいた、そんな話です。
モヤモヤのまま突っ走っていた、あの頃
当時の僕はまだ、エンジニア業務すらおぼつかない状態でした。
業務理解も遅い、ロジックの整理も下手。何より慣れていない 。
そんな中で、10人ほどのチームでプロジェクトマネージャーを任されました。
…いや、正直いま思えば無茶すぎる状況だったかもしれません。
頭の中がずっと曇っていた。
状況を把握できない。
なのに “全部自分でなんとかしなきゃ” と思い込んでいた。
チームの前でも、お客様の前でも、何も言えなかった
遅れは出ているのに、説明できない。
「中平さん、どうなっていますか?」
と聞かれても、自信を持って答えられない。
タスクも整理できてないから、メンバーへの指示も曖昧。
そんな状態で休日出勤をお願いしたって、説得力もないんですよね。
応えてくれたことは感謝しています。
でも、納得感のないお願いは、ただただ不満を生むだけだったと思います。
結局このプロジェクトでは「学び」なんてなかった
ゴールはなんとか迎えました。
時間をかけて、周囲に支えられて、ボロボロになりながら。
でも正直、このプロジェクトでは何かを掴んだ感覚なんてなかったです。
ただ、ひとつだけ強く思ったのは、
「もう、こんなやり方は二度とやりたくない」
ってことでした。
そして、だいぶ後になってやっと気づく
別の仕事で、また同じように混乱しそうになったとき、
ふと時間を取ってやることを全部書き出してみました。
誰が関わってる?優先順位は?ボトルネックは?
すると、少しずつ “頭の霧” が晴れてきたんです。
そして不思議なことに、アイディアが湧いてくる。
整理されていない状態では、何も始まらない。
情報を整理し、構造化し、見通しを立ててからでないと、人を動かすこともできない。
この感覚にようやく出会えたのは、
あの地獄をくぐり抜けた「あと」だったからかもしれません。
頭が散らかっていると、人を導けない
整理整頓ができていないと──
- 道を示せない
- 判断が鈍る
- 質問に答えられない
- チームの信頼も薄れていく
つまり、誰も救えない。
それどころか、自分自身もどんどん迷っていく。
過去の自分に言いたいこと
- そんなに抱え込まなくていい
- 焦らなくていい
- “明日” だけを見ないで
- まずは情報を集めて、余計なものを削ぎ落として
- すっきりした頭で、進むべき道を考えてみて
そうすれば、きっともっと健やかに、
誰かのために力を使える自分になれたはずだよ──と。
まとめ:「整理されていない頭では、誰も救えない」
プロジェクトマネージャーに必要なのは、
スキルでもテクニックでもなく、まずは「思考の整頓」です。
焦らずに全体を俯瞰し、構造を描き、必要な一手に集中する。
あの頃の僕のように、今、混乱の中にいる誰かへ。
この記事が、少しでも整理のきっかけになれば嬉しいです。
著者情報
中平 裕貴(Yuki Nakahira)
株式会社エスワイシステム 関東事業本部
関東第2事業部 3SEシステム6部 事業部長代理
『技術 × 事業戦略 × 組織運営をつなぐ実務家』
エンジニアとしての技術的な知見を持ちながら、営業・事業運営・HR・組織マネジメントの視点も持つ実務家。
エンジニア、グループ会社経営、営業を経験し、技術とビジネスの両方を理解した「橋渡し役」として事業推進に携わる。
技術と組織運営をつなぎ、主体的なチームを育て、人々が「WONT TO」で動ける社会を目指す。
🛠 技術領域
アプリ開発、クラウド、データ分析、AI、
📈 事業・営業経験
SI事業の拡大、プロジェクトマネジメント、アジャイル
🏗 組織マネジメント
リーダー育成、組織改革、チームビルディング
📩 お問い合わせ・お仕事のご相談はこちらから↓
人気の記事